オリックス谷 現役引退へ 既に球団に意思伝達…2000安打前に

[ 2015年9月12日 05:30 ]

オリックスの谷

 オリックスの谷佳知外野手(42)が今季限りで現役を引退することが11日、分かった。球団にも意志を伝えたと見られ、近日中にも発表される見込みだ。昨季から8年ぶりに古巣に復帰し、通算2000安打まで、あと73本に迫っていたが、出場機会にも恵まれず、19年間のプロ生活に別れを告げることになった。球団では、将来的に指導者の道を検討している。

 通算2000安打へあと73本に迫っているオリックスのレジェンドが静かにバットを置く。谷は現役引退の決意を固め、すでに球団に意向を伝えたと見られる。

 谷は昨年、8年ぶりにオリックスに復帰したが、昨季はわずか2安打に終わった。今季はここまで2度の1軍昇格で計10試合の出場にとどまるなど出場機会にも恵まれず、26打数4安打(打率・154)。古傷を持つ右肩への不安もあり、8月5日に出場選手登録を抹消されてからは2軍で調整を続けていた。

 8月末ごろから球団と何度か会談の場を持ち、去就について話し合ってきたが、チームが低迷し、世代交代を図りたい球団の思惑もあり、谷も潮時と判断。2000安打達成への強い意欲を持ちながらも、決断せざるをえなかった。

 谷は97年にオリックスに入団。イチローを擁して96年に日本一に輝き、名実ともに頂点に立ったチームにおいて、新人から101試合に出場するなど非凡な才能を発揮した。当時の仰木彬監督に「怒られた記憶しかない」と話したこともあったが、英才教育を受けて、その後は順調に成績を伸ばした。

 01年にシーズン52二塁打のプロ野球記録を樹立し、02年に盗塁王、03年に最多安打のタイトルを獲得するなど走攻守で高いレベルに成長。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞も4度獲得するなど、球界を代表する選手になった。07年から移籍した巨人でも実力を発揮したが、若い選手の台頭で押し出される形となり、13年オフに戦力外通告を受けた。昨季から古巣で再出発を図っていたものの、志半ばでユニホームを脱ぐことになった。

 妻は元女子柔道選手で、00年シドニー、04年アテネと五輪2大会で金メダルに輝いた谷亮子・参議院議員(旧姓田村)。03年に結婚し、ビッグカップルと称されて私生活でも注目を集めた。

 オリックスの伝統を知る男の幕引きは、ファンにも大きな衝撃となる。今後、引退試合も検討されるが、背番号10の勇姿は今季限りで見納めとなる。

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