ついに首位陥落…阪神 黒田にお手上げ わずか2安打

[ 2015年9月12日 05:30 ]

<神・広> 9回2死、マートンが凡退し首位陥落、ベンチでがっくりの和田監督(左)ら首脳陣

セ・リーグ 阪神0-3広島

(9月11日 甲子園)
 阪神は11日、広島・黒田を8回2安打と打ちあぐね、リーグワーストとなる14度目の零敗。痛い2連敗で、試合のなかったヤクルトに抜かれ、8月7日以来35日ぶりに首位から陥落した。頼みのマートン、ゴメスの両助っ人も無安打と沈黙した。二塁を踏んだのも2回と5回の2度だけで、文字通りの完敗だった。

 反撃の余力すら、もう、どこにも残っていなかった。3点を追う9回。先発・黒田の後を受けた中崎に一矢を報いるはずだったが…。1番鳥谷からの上位打線も、あえなく3者凡退。試合後、和田監督も完敗を認めざるを得なかった。

 「きょう(11日)はコース、高さともきっちり来ていた。選手に聞いても、相当動いていたようで、芯を外されていた」

 黒田の前に、手も足も出なかった。2回、先頭の福留が左翼線二塁打をかっ飛ばしたのが唯一のチャンス。だが、ゴメス以下の後続3打者がわずか6球で打ち取られると、3回2死からの鳥谷を最後にヒットすら生まれなかった。黒田にはこれで3勝を献上した。阪神戦の防御率は3・00と特別な苦手意識はないが、今後も対戦する可能性が高いだけに、対策が急務だ。

 打線全体が沈黙したとはいえ、やはり、両助っ人が打てなければ得点能力はグッと下がってしまう。マートン、ゴメスとも黒田に対し、ともに3打数無安打。マートンは殊勝に振り返る。

 「結果を見れば分かるように、良いピッチングをされてしまった」

 6回2死からの打席は真ん中への変化球をとらえたが、痛烈なライナーで三塁・小窪のグラブに収まる不運もあった。

 「失投が少なかった。丁寧に投げられた」

 先の巨人2連戦で2試合連続長打を放ち、復調の気配を感じさせたゴメスもブレーキだった。2回無死二塁で投ゴロに倒れると、4回はフルカウントから空振り三振。3点を追う7回も外角低め変化球を打たされ、ボテボテの三ゴロに終わった。選手に硬さがあったのか?指揮官は言う。

 「これからの戦いはそうなって当たり前」

 中盤以降はどこか重たい雰囲気が甲子園を包み込んでいた。球宴明けから続く、類いまれなる混戦。8月8日から首位の座を守り続けてきたが、ついにヤクルトにその座を明け渡した。

 ただ、別の見方をすれば、10年ぶり優勝という重圧とも戦う中で、1カ月以上も首位を守ってきたという側面もある。だから、和田監督も悲観することは一切なかった。

 「まだまだいろんなことが起こる。どんな状況になっても、常に“これから”という気持ち」

 残り17試合で、何度も大きなヤマ場は訪れるだろう。12日はデーゲームでの広島戦。取り返すチャンスは、すぐにやってくる。(森田 尚忠)

 ≪9月に入っての首位陥落…最終戦までもつれる?≫阪神は広島に敗れ、8月8日から守り続けた首位から陥落した。阪神が9月以降に首位の座を譲ってからリーグ優勝したのは1962、64年の2度。62年は球宴後から大洋とマッチレースの様相。9月15、26日に2位となったが、10月3日のチーム最終戦に勝って2リーグ制以降初の優勝を決めた。64年も大洋と激戦を繰り広げ、9月に入ってから3度も首位陥落。18日時点で4・5差をつけられたが、20日から直接対決4連勝を含む猛追を見せ、9月30日のダブルヘッダー中日戦の第1試合に勝って逆転優勝。両年とも、チーム最終戦の日までV決定がもつれている。

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2015年9月12日のニュース