駒大・今永 296日ぶり投げた!147キロ 落合GMら10球団が視察

[ 2015年9月12日 05:30 ]

<駒大・日大>12回から登板し1回無失点と好投した駒大・今永

東都大学野球第2週第1日 駒大2―1日大

(9月11日 神宮)
 1回戦2試合が行われた。2季ぶりの優勝を狙う駒大は、日大を延長12回の末に2―1で下し先勝。左肩痛のため今春リーグ戦で登板のなかった今秋ドラフト1位候補、今永昇太投手(4年)は12回に登板。1安打2四球で満塁のピンチを背負ったが、無失点で切り抜け、復活をアピールした。亜大は桝沢怜外野手(4年)が決勝打を放ち、中大に2―1で競り勝った。

 帽子を取って、マウンドに一礼した。1点を勝ち越した直後の延長12回、駒大のエース左腕・今永が、神宮のマウンドに戻ってきた。昨秋の明治神宮大会決勝以来、296日ぶりの公式戦登板。先頭打者に安打を許し、2四球も絡んで2死満塁。最後は飛び出した走者を挟殺プレーでアウトにし、試合が終わった。

 「久しぶりでどんな投球ができるか、正直不安の方が大きかった。力みもあって思い通りにならず、情けないなと。周りに救われた」

 昨秋はリーグ戦で7勝を挙げ、神宮大会優勝にも貢献した。だが、今春開幕前に左肩痛を発症。リーグ戦登板はなく、夏季ユニバーシアード日本代表も辞退して治療に専念した。「過去の自分は一回捨てて、新しい自分をつくろうと。進化した自分を見せるため、少しずつ前進してきた」。焦る気持ちを抑え、慎重に投球を再開。夏場はオープン戦4試合に登板し、最後のシーズンに備えた。雨で3日間試合が延びた影響もあって先発は2年生の東野に譲ったが「4年生が結果を出さないといけない」と、緊迫した場面をしのいだ。

 1イニング26球ながら、直球は自己最速に1キロに迫る147キロを計測。ネット裏に集結した10球団のスカウトを安心させた。DeNA・武居邦生スカウトは「常時140キロ台後半。肩は治っている」と話し、オリックス・早川大輔スカウトも「スピードが戻った。あとは先発でどれだけ投げられるか楽しみ」と高評価した。

 開幕前に丸刈りにして決意を新たにした今永は「まだしっかりした復帰を見せられていない。自分は球速よりも球の切れを大事にしていきたい」と引き締めた。現役最多のリーグ18勝を挙げている左腕が再出発を切った。 (川島 毅洋)

 ▼駒大・西村亮監督(今永について)注目もされて、1点差の厳しい場面で何とか粘っていた。頭(先発)も考えている。

 ◆今永 昇太(いまなが・しょうた)1993年(平5)9月1日、福岡県北九州市生まれの22歳。5歳からソフトボールを始める。永犬丸中では軟式野球部に所属。北筑では2年夏からエース。甲子園出場はなし。駒大では1年春にリーグ戦デビューし、2年春に初勝利。3年春にはリーグタイ記録となる3試合連続完封。家族は両親と兄、姉。1メートル78、80キロ。左投げ左打ち。

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