米沢蓮 開花へ、遅れてきた大器が初首位発進 パット数23「5メートルくらいのが全部入りました」

[ 2023年6月2日 04:20 ]

BMWツアー選手権森ビル杯第1日 ( 2023年6月1日    茨城県・宍戸ヒルズCC西C=7430ヤード、パー71 )

<日本ゴルフツアー選手権・1日目>2番、ティーショットを放つ米沢(撮影・藤山 由理)
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 今季の国内男子メジャー第1戦が開幕し、プロ3年目の大器、米沢蓮(23=ティ・エム・プラテック)が8バーディー、1ボギーの64で回り、7アンダーで自身初の首位発進を決めた。パット数23は全体1位。イップスに悩まされてきたグリーン上で圧巻の内容を見せ、バーディーを量産した。東北福祉大の先輩でもある金谷拓実(25=Yogibo)も7アンダーで首位に並んでいる。

 苦手なはずのパットが面白いように決まった。14番でこの日唯一のボギーを叩いたが、15番パー5の3打目を5メートルにつけてバウンスバック。「パッティングが下手くそなんで、そこが決まってくれれば。5メートルくらいのが全部入りました」と笑顔で振り返った。16番パー3ではチップインバーディー。64はツアー自己ベストで、首位に立つのも初めてだ。

 2年ほどパットのイップスに苦しみ「今もゼロではない」と言う。先週は4日間、今週も前日までアマ時代のナショナルチームの恩師、ガレス・ジョーンズ・コーチの元に通った。ラインの読み方を学び直し、パターの打ち方も変えた。グリップは右手人さし指を立てた独特なクロスハンドを編み出し、一筋の光が見えてきた。

 小学校でゴルフを始め、盛岡中央高まで独学で腕を磨いたという異色のキャリア。東北福祉大時代の18年には金谷拓実、中島啓太らとアジア大会団体戦で金メダルを獲得し、米沢も大器と呼ばれた。今大会にはアマ時代の21年にも出場し26位。当時のパット数は33。この日は23と成長を示した。先を行く同世代プロの背中も見えてきた。

 日課はタイガー・ウッズの動画チェックという。特に一度、カップの縁で止まったボールが転がり込む05年マスターズ、16番パー3の伝説の動画は何百回と見た。実は4月の下部ツアーで米沢も全く同じ経験をしたが、10秒以上かかったため「時間切れでパーでした」と“落ち”まで付けて苦笑いした。もちろん今週は違う。次々と決まるパットで、ビッグタイトルを狙う。


 ≪東北福祉大卒 18年アジア大会Vメンバー≫
 ☆経歴、サイズ 1999年(平11)7月23日生まれ、盛岡市出身の23歳。1メートル74、74キロ。盛岡中央高―東北福祉大。

 ☆独学 10歳の時、テレビ中継を見てゴルフを始める。見よう見まねながら小学校時代は東北ジュニアで5勝。目標は米ツアー14勝のアダム・スコット(オーストラリア)。

 ☆アマ実績 東北高校選手権3連覇。大学進学後の18年からナショナルチームに選出され、18年アジア大会団体戦で金メダル獲得した。21年日本オープンでは38位でローアマ獲得。21年12月にプロ転向した。

 ☆今季スタッツ(前週まで) 最も優れているのはパーオン率(69.792%)で全体12位。ワーストは平均パット数(1.7960)で93位。賞金ランクは142万7666円で72位。

 ☆岩手の星 現在男子ツアーで活躍する岩手県出身は一人。過去にも同県勢のツアー優勝は一度もない。 

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