玉ノ井親方 琴勝峰は考え抜かれたもろ手の立ち合い 阿炎は対応が後手に

[ 2023年1月21日 05:10 ]

大相撲初場所13日目 ( 2023年1月20日    両国国技館 )

阿炎(右)と激しく組み合う琴勝峰(撮影・藤山 由理)
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 【玉ノ井親方 視点】優勝争いの重圧を感じさせない歯切れの良い相撲だった。

 勝つか負けるかで今後の展開が大きく変わる阿炎との一番。いつもは胸から当たって、まわしをさぐりにいく琴勝峰がもろ手で突いて出た。相手の突っ張りを下からあてがいながら威力を半減させ、最後は右からいなし気味に突き落とした。

 阿炎にすれば想定外の立ち合いだったに違いない。不意を突かれその分、対応が後手に回った。見方を変えればそれだけよく考えた琴勝峰の相撲だった。

 懐が深く重さもある琴勝峰は突っ張っても、まわしを取っても良いタイプ。ただ胸を出してまわしをさぐりにいく相撲より、この日のように攻めながら自分の形に持っていく取り口の方が体はよく動く。これで3敗で3人がトップに並んだ。優勝を意識しながら、残り2番、どれだけ自分を追い込めるかが3人の中で一番経験の浅い23歳の課題だろう。(スポニチ本紙評論家・元大関・栃東)

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2023年1月21日のニュース