西岡良仁 4大大会日本男子3人目の16強入り&ツアー通算100勝 松岡、錦織に続いた

[ 2023年1月21日 04:50 ]

第1セットを奪い、雄たけびを上げる西岡(AP)
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 全豪オープンテニス第5日は20日、メルボルンで行われ、男子シングルス3回戦で第31シードの西岡良仁(27=ミキハウス)が、世界ランキング65位のマッケンジー・マクドナルド(27=米国)に7―6、6―3、6―2で勝利した。ツアー通算100勝目の節目の白星で、4大大会で20年全豪の3回戦を上回る自己最高成績。68年のオープン化以降で日本勢同種目の16強は松岡修造、錦織圭に続く史上3人目の快挙となった。次戦はロシア出身で第18シードのカレン・ハチャノフ(26)と対戦する。 

 最後は相手の力ないアンダーサーブをフォアのリターンエースで仕留めた。西岡が2時間25分でストレート勝ち。4大大会の男子シングルスで松岡、錦織に続く史上3人目の16強入り。ツアー通算100勝も錦織(431勝)、松岡(145勝)に続く快挙だが、表情はさえなかった。ジュニア時代からしのぎを削るマクドナルドが第2セット序盤に腹部を痛めたため「何とも言えない気持ちでプレーしていた。喜びにくい」と神妙。複雑な心境を振り払うように「初の4回戦はうれしい。運はある」と視線を上げた。

 第1セットは硬さが目立った。6度握ったブレークポイントを一度も生かせずタイブレークに突入。6―3から3度のセットポイントをものにできなかったが、最後はサービスエースで接戦を制した。第2セット第1ゲーム途中で相手がメディカルタイムアウトを取り、サーブを全力で打てなくなると一方的な展開。勢いのないボールに逆に戸惑い「やりにくかった」としつつも「負けることはないと思った」と確実に白星をつかんだ。

 1年前の全豪で1回戦敗退後に「あと2年結果が出なかったらやめる」と引退を示唆。世界ランクは123位まで低下したが、翌週から米国で下部ツアーを転戦して勝利を重ね、自信を取り戻した。昨夏から米国人のザハルカ氏を試験的にコーチに迎え、苦手のフォアハンドを強化。8月にシティ・オープンで準優勝すると、9~10月の韓国オープンで約4年ぶりのツアー2勝目を挙げた。12月にザハルカ氏と正式契約。前哨戦で4強入りし、4大大会で日本男子史上2人目のシード選手として今大会を迎えた。

 3回戦まで全てストレート勝ち。3試合で計6時間30分しか要していないアドバンテージは大きい。次戦は第18シードの格上ハチャノフと激突。対戦成績1勝2敗だが、直近の対戦ではストレート勝ちしている。「ここからは気合の勝負。ストローク戦になればチャンスはある」。身長1メートル70の小兵レフティーが余力を残して8強にチャレンジする。

 ◇西岡 良仁(にしおか・よしひと)1995年(平7)9月27日生まれ、三重県出身の27歳。テニススクールを経営する父の影響で4歳からテニスを始める。中学3年で渡米し錦織圭と同じIMGアカデミーに在籍。14年1月にプロ転向した。17年の左膝前十字じん帯断裂を乗り越え、ツアー通算2勝。ツアーのマッチ通算100勝111敗。生涯獲得賞金は443万1370ドル(約5億7200万円)。家族は両親と兄。1メートル70、64キロ。左利き。

 ▽男子シングルスの日本勢4大大会4回戦進出 68年オープン化以降では西岡が3人目。松岡修造は4大大会に25回出場し、95年ウィンブルドン選手権の8強入りが唯一。錦織圭は22回4回戦に進出。準優勝1回、4強2回、8強9回と圧倒的な成績を残している。オープン化前では1933年に世界ランキング3位になった佐藤次郎、1918年全米で日本史上初のグランドスラム4強入りを果たした熊谷一弥らが達成した。女子では4大大会4勝の大坂なおみのほか土居美咲、伊達公子、杉山愛、沢松和子、沢松奈生子らが4回戦以上に進んでいる。

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