【箱根駅伝特別対談(4)】沿道応援は「エキストラの一人」「努力の発表会を見て」

[ 2023年1月2日 06:20 ]

オンラインで対談を行った「3代目山の神」こと神野大地
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 第99回箱根駅伝はあす2日午前8時に東京・大手町をスタートする。青学大時代に「3代目・山の神」として名をはせたプロランナーの神野大地(29=セルソース)と、「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド」が人気を博す専門メディア「EKIDEN News」主宰の西本武司さんがレースを予想。3冠を狙う駒大、2連覇の懸かる青学大を軸とした優勝展望や新・山の神候補などについて、駅伝ファン注目の2人が言いたい放題?のオンライン対談を行った。

 ――沿道での応援自粛の要請がない今大会、現地での観戦ガイドをお願いします。
 西本「強く言いたいのは、ぜひ沿道に出てくださいということ。声での応援は控えないといけないですが、人はいっぱい出てきてほしい。選手の気持ちだと、走り始めた時に沿道に人がいないのって凄い残念だと思う。この記事を読むのは、箱根が好きで好きでたまらない人だと思う。ぜひ選手が走った時に見たことない景色をお客さんがつくり上げてほしい。“来年も走りたい”“この後も続けたい”という選手が増えるとうれしい。ぜひお近くにお住まいの方や、行ってみようかな?という人もぜひ沿道に繰り出してほしい。沿道に立っているだけで、選手の気分も上がると思う。自分もエキストラの一員だと思いながら手拍子を送ってください。それがあるだけでも選手は気合が入る。その時、テレビ、ラジオだけでなくツイッターも重視して使うといい。事前情報も大事だけど、当日にいろんな情報が出てくる。テレビ、ラジオを聞きながらツイッターをやる。スペース機能でファンがにわか解説者でしゃべっている。テレビ、ラジオだと言えない情報が、あふれてますよ(笑い)」

 神野「箱根駅伝は4重、5重の沿道応援で特別。気持ちが乗せられる感じ。いろんな大会や駅伝に出てきたけど、比べものにならない。ぜひ応援に来てください、選手のモチベーションにつながります。現地に1回、応援に行った人は絶対、毎年行くようになる。“テレビで見た方が全部見られる”という考え方もありますが、見に行くと選手のスピード感を感じられるだけでなく、まずパトカーが来て、選手が来るという雰囲気が伝わってくる。まず1号車が走り、選手が駆け抜け、監督が“あと何キロだぞ”って言っている。それを全部、生で見られるのは本当に特別。一人で見るとの、沿道でその空気を感じるのは全然違う。選手のためにも行ってほしいし、現地に行けばそういうところも見られる。僕も大学4年間そうでしたが、363日、この2日間のためにいろんなものを犠牲にして頑張っている。努力の発表会をいろんな人に感情移入して見てほしいです」

 西本「付け足すと、沿道応援はカーブが良いです。直線だと、放送車が来て先頭が見えないんです。選手がスッと行っちゃうので、あっという間に終わってしまう。大きなカーブで見ると、選手の走りを長く見られます。1区だと三田の交差点とか、藤沢のカーブとか良いポイントがあります。意外とカーブは人がいないので、カーブを狙ってください」


 ◇神野 大地(かみの・だいち)1993年(平5)9月13日生まれ、愛知県津島市出身の29歳。中学から陸上を始め、愛知・中京大中京高から青学大進学。3年時、15年の箱根駅伝5区で当時の区間新を樹立。初の総合優勝の立役者となり「3代目山の神」を襲名。卒業後はコニカミノルタに入社し18年にプロ転向。19年アジアマラソン選手権優勝。マラソンの自己ベストは2時間9分34秒。1メートル65、46キロ。

 ◇西本 武司(にしもと・たけし)1971年(昭46)生まれ、福岡県出身。インターネットを中心とした専門メディア「EKIDEN News」主宰。一般社団法人OTT代表理事。「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!」(ぴあ)の監修や、インターネットラジオ「Track Town JPN」(文化放送)に出演するなどマルチに活躍。ツイッターアカウント「@EKIDEN_News」はフォロワー10万超え。 

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