【箱根駅伝特別対談(3)】近藤幸太郎、三浦龍司、吉居兄弟…今年も多士済々

[ 2023年1月2日 06:15 ]

オンラインで対談を行った「3代目山の神」こと神野大地
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 第99回箱根駅伝はあす2日午前8時に東京・大手町をスタートする。青学大時代に「3代目・山の神」として名をはせたプロランナーの神野大地(29=セルソース)と、「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド」が人気を博す専門メディア「EKIDEN News」主宰の西本武司さんがレースを予想。3冠を狙う駒大、2連覇の懸かる青学大を軸とした優勝展望や新・山の神候補などについて、駅伝ファン注目の2人が言いたい放題?のオンライン対談を行った。

 ――花の2区の争いや注目選手、チームは。
 西本「個人的に見ていてワクワクするのが青学の近藤選手。走っているだけで元気を振りまいている。トラックで見ると、本当に伸び伸びしている。走り終わった後もかっこいい。華が出てきて、メジャー感が生まれている。どんどん夢が広がっている。世間の注目は、田沢vsビンセント(東京国際大、補欠)だが、みんなの心に残る2区を走るのは近藤選手なんじゃないかと。中大は優勝したい、でも、優勝は難しいと思った時に(次回)100回記念大会だけは譲れないという古豪ならではのこだわりがあると思う。100回を勝つために足りないものを探しにいく駅伝をするかどうか面白い。知らない注目選手が隠れている可能性もある。今回は明らかに青学大、駒大が抜けているので、各チームが“100回でウチはどう勝つか”と考えていた場合は…。予想屋が一番困るパターンです(笑い)」

 神野「近藤選手は元々注目されていたわけではなく、年々、力をつけてきた。全日本では直接対決で負けはしましたが、田沢選手にも勝てるかもしれないというところまで来た。近藤選手の最後の箱根の走りが青学の優勝に左右する。記録会を見ていても、自信に満ちあふれている走りをしている。あとは3区に注目したい。実は近年、青学は3区で優勝を決めている。各チームが、3区で決めに来る可能性もありえる」

 西本「ダークホースは、明らかに大東大だと思う。箱根駅伝の予選会はハーフマラソンの対応する予選会。各大学、ハーフマラソンが走れるまでの秘伝のレシピがあったと思う。そこで仙台育英で高校駅伝をやってきた真名子新監督が指導し、普通の物語だと何年もかかるものが、数カ月で形になった。さらに、ギリギリではなくトップ通過してきた。スピード駅伝、トラックスターを生んでいる仙台育英の土壌からどういう変化を予選会から箱根までの数カ月でもたらすか大注目。これでシードに入ったらド偉いこと。今までのやり方って何だったの?という変化が起こることに期待している」

 神野「順大の三浦選手はトラックの成績からすると、駅伝で快走できていない。駅伝だと80%の力しか出せていない。今回の箱根は三浦選手がどんな走りをするのか。彼の力を発揮できそうな1区で見たい(区間エントリーでは補欠)。創価大は嶋津選手、葛西選手という2人の最後の箱根に注目。7区にエントリーした葛西選手は全日本の区間賞で注目された。速さ以上に強さを感じる。2区にムルワ選手、4区に嶋津選手がいると考えると、往路で主導権を握る可能性もある」

 西本「駅伝ファンは中大の大和から駿恭へという吉居兄弟リレーを見たいと思う。2人が一緒に走ったのは秋の新潟のデンカチャレンジだけど、そのシーンを撮るためだけに日テレが来ていた。初めて一緒のレースでどういうやりとりするか狙っていたけど、あまりやることなく、スッと…(苦笑)。弟はお兄さん好きが前面にあふれている。弟は4区エントリーで兄は補欠待機。往路で出る2人だと思うが“藤原監督、見どころをつくってくれよ!”と思います」


 ◇神野 大地(かみの・だいち)1993年(平5)9月13日生まれ、愛知県津島市出身の29歳。中学から陸上を始め、愛知・中京大中京高から青学大進学。3年時、15年の箱根駅伝5区で当時の区間新を樹立。初の総合優勝の立役者となり「3代目山の神」を襲名。卒業後はコニカミノルタに入社し18年にプロ転向。19年アジアマラソン選手権優勝。マラソンの自己ベストは2時間9分34秒。1メートル65、46キロ。

 ◇西本 武司(にしもと・たけし)1971年(昭46)生まれ、福岡県出身。インターネットを中心とした専門メディア「EKIDEN News」主宰。一般社団法人OTT代表理事。「あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!」(ぴあ)の監修や、インターネットラジオ「Track Town JPN」(文化放送)に出演するなどマルチに活躍。ツイッターアカウント「@EKIDEN_News」はフォロワー10万超え。 

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