ラグビー経験なし女性指揮官の挑戦 常翔学園・平池三記監督「子どもたちの成長が今から楽しみ」

[ 2022年12月22日 09:00 ]

27日開幕高校ラグビー特集

全国高校ラグビー地区予選大阪決勝<常翔学園・関大北陽>花園出場を決め、No.1ポーズで喜ぶ平池三記監督(前列右から3人目)ら常翔学園フィフティーン(撮影・成瀬 徹)
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 102回目を迎える今冬の全国大会。常翔学園を束ねるのは、同校史上初の女性指揮官だ。花園の長い歴史をひもといても極めて珍しい事象だろう。史上3位の通算100勝を誇る伝統校を率いる立場にあっても、平池三記監督(53)に気負いはない。柔和な表情は、子どもたちへの愛であふれていた。

 「子どもたちの成長が今から楽しみです。子どもたちが自分で考え、どう行動に移すのか。何といっても、監督が私ですからね」

 スポーツ歴は中学時代に励んだソフトテニスだけ。01年から副部長を務めていたとはいえ、ラグビーの専門知識は少ない。部の不祥事によって9月から監督と部長を兼任する形になったが、腹を決めて大役を務めている。10月から部員と日記を交換する取り組みも始めた。グラウンド内外でコミュニケーションを密にするのが狙いだ。SH田中景翔主将(3年)は「お母さんのような存在で、僕たちを見守ってくれる」と感謝する。

 大切にする言葉がある。仲間を信じ、協力しあう(1)協心。反則して相手のプレーを妨げない(2)クリーンゲーム。目指すラグビーを出し切る(3)ベストゲーム。部の礎を築いた故・荒川博司元監督(享年62)の言葉だ。野上友一前監督も大切にしてきた部訓を守るのも使命の一つ。新たな挑戦が始まる。 (吉仲 博幸)

 ◇平池 三記(ひらいけ・みき)1969年(昭44)9月15日生まれ、香川県坂出市出身の53歳。坂出高、大教大を経て一般企業に就職し、25歳の時に数学教諭として公立高校へ赴任。99年から大工大高(現常翔学園)へ。01年から同校ラグビー部の副部長を務め、ことし9月から監督と部長を兼任。趣味は習い事。

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2022年12月22日のニュース