花園で悲願の1勝を! 県大会“戦わずして”全国出場の倉吉東 “ハートタックル”の成果見せるぞ

[ 2022年12月22日 09:00 ]

27日開幕高校ラグビー特集

部員一丸となって練習に励む倉吉東ラグビー部
Photo By スポニチ

 倉吉東は、1試合も戦うことなく花園切符を手にした。鳥取県予選にエントリーしたのは3校。米子工と倉吉総合産の勝者と決勝を戦うはずだったが、負傷者が出るなどした影響で両校とも15人がそろわず、1回戦は12人制の参考試合に。この時点で、選手19人を擁する倉吉東の全国大会出場が決まった。

 競技人口の激減で単独チームを組める高校の減少もさることながら、3年生が入学したタイミングで新型コロナウイルスも全国にまん延した。高浜成人部長(51)は「積極的な部員勧誘や新入生との接触の場を奪われた」と嘆く。新入部員の存在は部の存続において死活問題。部員不足に悩む年もある倉吉東にとっても“明日はわが身”なのだ。

 だから、2、3年生は“ハートのタックル”を浴びせ続けた。昼休みに1年生のクラスを回り、熱い勧誘プレゼンを実施。そのかいあってか、アーチェリー部やサッカー部からの助っ人、ソフトボール部や演劇部でも活躍する多才な生徒が加入した。部員減少に歯止めをかけたい地道な取り組みは、今回の花園切符と無縁ではないだろう。

 部員19人中15人が初心者だ。知識と経験がなくとも、日本協会のユースコーチを兼任する岩野竜二監督(49)が懇切丁寧に指導する。「部員にまず考えさせる」指導は着実に実を結び「花園で1勝するという具体的な目標がある。(決勝なしは)過程が変わっただけ。いかに普段通りプレーできるかが大事」と意気込む。初戦の相手は高鍋。ラグビーを心から愛する19人が、晴れの舞台へ駆け出す。 (八木 勇磨)

 ▽全国ワーストタイの1勝 冬の全国大会における鳥取県勢の通算成績は1勝40敗。1勝は香川県勢(40敗)とともにワースト記録だ。倉吉東は今大会で12度目の出場。過去11大会はすべて1回戦敗退で、鳥取県勢としては99年度(79回大会)の米子東(12〇10鶴来)以来、23大会ぶりの勝利を目指す。

続きを表示

2022年12月22日のニュース