新小結有力の若元春 兄弟同時三役の期待も「弟の足を引っ張らないように…」控えめな決意

[ 2022年12月22日 16:17 ]

出稽古に訪れた霧馬山(右)と申し合い稽古を行う若元春(撮影・前川 晋作)
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 大相撲の幕内・若元春(29=荒汐部屋)が22日、都内の同部屋で13番の申し合い稽古を行った。

 弟の関脇・若隆景(28)や、出稽古に訪れた小結・霧馬山(26=陸奥部屋)、幕内・千代翔馬(31=九重部屋)、錦木(32=伊勢ノ海部屋)を相手に計13番取って6勝7敗。得意とする左四つからの攻めだけでなく、おっつけやハズで押して前に出る力強さも見せた。

 幕内上位で2場所連続2桁勝利を挙げ、初場所(来年1月8日初日、東京・両国国技館)では新小結に昇進することが有力視されている。「楽しみではないですね。名前負けしないように…気が重いです」と三役のプレッシャーを少し感じ始めている様子。それでも「ここから先はどれだけ上がっても(対戦する)相手は変わらないので自分との戦いになってくる。自分の看板との戦い」と決意を新たにした。

 今年1年で新入幕から3場所連続9勝、初の横綱挑戦、大関戦勝利と番付を駆け上がってきた。年間勝利数の53は、横綱大関陣を抑えて4位。1位の若隆景との差はわずか4勝だった。急成長の1年にも「自信は相変わらずないですよ。自信って余裕のある人が持つものだと思うので、余裕も自信も持てないです。必死です。死に物狂いです」と控えめ。番付を上げても謙虚さは変わらないままだった。

 初場所で小結に昇進すれば、3代目若乃花・貴乃花以来23年ぶりの兄弟同時三役となる。「何十年ぶりの兄弟三役って騒がれて兄貴がボロ負けして1場所で落ちたらかっこつかないですよ。頑張りたいですね。なんとかしがみついて弟の足を引っ張らないようにしたい」と冗談交じりに笑い飛ばした。「三役」として肩を並べることになるが「同じ位置と言っても、あいつはもっと先を見ている。僕は地面を見ているので(笑)。足下を見ないと危ないですよ」とどこまでも控えめな兄。それでも、初場所へ向けて「大前提として勝ち越し。(番付が)上がったら上がっただけの相撲を取らないといけない。自分の中で、次の番付として納得いくような相撲を一番でも多く取りたい」と力強く意気込んだ。謙虚な自身の性格を「現実主義」と表現していた若元春。三役力士として活躍し、次期大関候補に名乗りを上げることも現実味を帯びてきている。

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2022年12月22日のニュース