~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑪ ミスショットが減る正しい“頭の使い方”

[ 2022年9月16日 12:00 ]

~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑪ ミスショットが減る正しい“頭の使い方”
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 ゴルフのセオリーの一つに“ボールを打った後も頭を残せ”というのがあります。昔からよく言われていることですが、奥嶋誠昭コーチはこれを否定します。インパクト後も頭を残すとスイングに弊害が生まれるとのことです。頭を残さない方が良いスイングをできるというわけです。その理由はどこにあるのでしょうか。アシスタント役の日大ゴルフ部OG・加藤みなみさんと一緒に正しい”頭の使い方”を学びましょう。 動画で見る・~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑪

 加藤 インパクト後もボールがあった所を見るようにと言われます。でも、それだとスイングが窮屈になってしまうのが悩みです。
 
 奥嶋 以前、バックスイングの際に頭を動かすのが正解だと言いましたが、それは体を動かしやすくするためでもあったんです。頭を固定すると体を回しにくいですからね。左足に体重が残り、軸も目標方向に倒れてしまいます。これでは、スムーズにクラブも上がりません。それと同じで、インパクト後も頭を固定すると体を回しにくくなるんですよ。スイングが窮屈に感じるのはそのためです。

 加藤 確かにインパクト後も頭を残そうとすると、フィニッシュまでスムーズに体を動かせなくなりますね。

 奥嶋 体重が右足に多く残って、体の軸も右に倒れてしまいがちですからね。そういう意味では、インパクト以降に頭を動かした方がきれいなフィニッシュをつくれますよ。ただ、ミート率を上げるためにも、インパクトの瞬間はしっかりと見ること。インパクトを迎える前に顔を上げて目標を見てしまうと、それこそクラブヘッドがボールに当たりませんからね。ボールを打ったと確認してから、そのままヘッドを追いかけるように頭を動かしていきましょう。

 加藤 なるほど、それだときれいなフィニッシュをとれそうですね。ところで、アベレージゴルファーの中にはフィニッシュをカッコよく決めることができない人も少なくありません。その問題は頭を残さないようにすることで解決しますか?

 奥嶋 おそらく、フィニッシュをピタっと決めることができない人は、フィニッシュに意識がないからでしょう。ボールにクラブヘッドを当てて終わりという考えの人が多いと思われます。

 加藤 だから頭を残そうとするわけですね?

 奥嶋 全てとは言いませんが、一つの要因ではあります。頭を残し過ぎると左足に体重を乗せていけないので、右足に体重が多く残ったフィニッシュになったり、よろけて右足を一歩前に踏み出したようなフィニッシュになりがちです。まずは正しいフィニッシュの形をしっかりとイメージし、その形をつくるように心がけると、自然とフィニッシュの形が安定してきます。

 加藤 具体的にどのような形のフィニッシュなら合格ですか?

 奥嶋 まず、左足に体重の9割が乗っていること。残りの1割は右足に乗せますが、右足は爪先だけが地面に着いて、しっかりと立っている形がベストです。昔は逆C字がいいなんて言われましたが、今は頭から左足までが一直線になっている形が理想です。さらに、体は目標に正対し、クラブが地面と平行になったところで止まっている形にします。アドレスしたときからこの形をスイングのゴールとして意識しておくと、自然とカッコ良いフィニッシュになりますよ。

 加藤 そのためにもインパクト後は頭を残そうとしないことが大切になりますね?

 奥嶋 そこだけはしっかりと守って下さい。

(取材協力=ヒルトップ横浜クラブ)

 ◆奥嶋 誠昭(おくしま・ともあき)1980年(昭55)3月26日生まれ、神奈川県横浜市出身の42歳。10歳からゴルフを始める。堀越高から米大学留学を経てレッスン活動をスタート。これまでに谷原秀人や一ノ瀬優希らのコーチを務め、現在は稲見萌寧、木下稜介らの指導を行っている。
 
 ◆加藤 みなみ(かとう・みなみ)1997年(平9)5月13日生まれ、栃木県佐野市出身の25歳。12歳でゴルフを始める。日大卒。大学時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは72。将来の活躍が期待される女子ゴルファーを応援するプロジェクト「白金台女子ゴルフ部」のマネジャーとしても奮闘中。

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