セリーナ 涙の集大成「素晴らしい旅だった」、3回戦敗退でコートに別れ 栄光の4大大会23勝

[ 2022年9月4日 02:30 ]

テニス 全米オープン第5日 ( 2022年9月2日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

3回戦で敗れ、コート上のインタビューで涙ぐむS・ウィリアムズ(AP)
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 今大会限りの現役引退を示唆する世界ランキング605位のセリーナ・ウィリアムズ(40=米国)が女子シングルス3回戦で世界46位のアイラ・トムリャノビッチ(29=オーストラリア)に5―7、7―6、1―6で敗戦した。マーガレット・コートに並ぶ4大大会最多24度目の優勝には届かなかったが、3時間5分の激闘で最後まで満員の会場を沸かせた。

 ラケットに魂を込めて、S・ウィリアムズが生きざまを示した。最終セット、1―5で迎えた第7ゲーム。30―40と崖っ縁に立たされたが、何度も窮地を切り抜け、5度のマッチポイントをしのいだ。28年に及ぶプロ生活の集大成。8度のジュースの末に力尽きたが「私はキャリアで一度も試合を諦めたことはない。この瞬間を迎えられたこと、そして私がセリーナであることに本当に感謝している」と胸を張った。

 8月にファッション誌のエッセーで今大会限りの引退を示唆した。1回戦で2年ぶりに全米で白星を挙げると、2回戦では世界ランキング2位のコンタベイトを撃破。この日は大会史上最多7万2039人が来場し、センターコートで見守った2万人超の満員の大観衆からスタンディングオベーションを浴びた。スタンドでは史上最高の選手を意味するGOAT(greatest of all time)の文字も躍った。敗者としては異例のコート上のインタビューでは「これは幸せの涙」と声を詰まらせ、「本当に楽しい道のりだったし、素晴らしい旅だった」と感慨に浸った。

 試合後の会見で競技を続ける可能性を問われると「誰にも分からない」と明言を避けた。「(来年1月開催の次の4大大会)全豪は本当に好きな大会」と含みを持たせた。第2子を出産し、姉になることを望む長女の願いをかなえたい思いもある。「私は母親。これからは娘と一緒に時間を過ごし、今までできなかったことをする。明日はカラオケに行くと思う。世界の中では私はまだ若い部類に入るから、人生を楽しみたい」。どんな決断を導き出しても自分らしく歩み続ける。

 ◇セリーナ・ウィリアムズ 1981年9月26日生まれ、米ミシガン州出身の40歳。5人姉妹の末っ子。5歳でテニスを始め95年にプロ転向。四女ビーナスとともにトップ選手に成長した。4大大会は17歳で迎えた99年全米オープンで初制覇。シングルス通算23度の優勝は歴代2位、ダブルスも通算14勝を挙げている。WTAツアーはシングルス73勝、ダブルス23勝。生涯獲得賞金は約9500万ドル(約133億円)。17年にインターネット起業家のアレクシス・オハニアン氏と結婚、同年9月に長女・オリンピアちゃんを出産した。右利き。身長1メートル75。

 ◆テニス全米オープンはWOWOWで全日生中継。WOWOWオンデマンド、WOWOWテニスワールドで全コートライブ配信。

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2022年9月4日のニュース