サニブラウンが世陸へ前進!男子100メートル準決勝10秒04で参加標準突破 決勝3位以内で内定

[ 2022年6月10日 05:30 ]

陸上・日本選手権兼世界選手権代表選考会 第1日 ( 2022年6月9日    大阪市・ヤンマースタジアム長居 )

男子100メートルの準決勝3組で1位となり、決勝進出を決めたサニブラウン(撮影・坂田 高浩)
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 男子100メートルでは日本歴代2位の9秒97を持つサニブラウン・ハキーム(23)がトップで決勝に進んだ。予選で10秒11をマークし、波乱含みの準決勝では10秒04を叩き出して7月の世界選手権(米オレゴン州)の参加標準記録10秒05を突破。3年ぶり3度目の優勝を目指す10日の決勝で、3位以内に入れば世界選手権代表内定となる。

 格が違った。サニブラウンが準決勝を10秒04で駆け抜けた。「反応が遅すぎた」とスタートで若干出遅れたが、中盤以降の加速で他のスプリンターを置き去りにした。同種目の日本勢で世界選手権参加標準記録の突破1号となり、代表権が懸かる決勝を残すだけ。「ここで満足していても何にもならない。ここから1、2段階上げていかないと」。さらなる高みを見据えた。

 準決勝では、予想外の光景が広がっていた。1組目で桐生のスピードが伸びきらずに4着。2組目だった前回王者の多田は準決勝で散った。そして、出番の3組目。サニブラウンに、波乱は関係なかった。あくまで「自分との戦い」とレースを捉え、自らに集中を研ぎ澄ました結果の好タイムだった。

 昨年の日本選手権では同じ会場の長居で100メートル6位。東京五輪の出場権を逃した。200メートルで出場した東京五輪も、全47選手中44番目のタイムで予選落ち。ヘルニアによる腰痛で「歩いただけで神経痛がひどかった」という。それ以降は週6日の練習サイクルを2日連続で追い込んで1日休みに変更し、ウエートトレーニングのアプローチも試行錯誤。「今年(競技が)できているのは幸せ。久しぶりに体もスッキリして陸上を楽しめている」。予選でもただ一人10秒1台と結果を出し、自信を深めた。

 決勝3位以内で世界選手権代表に内定するが、19年に自身が出した大会記録10秒02の更新、その先の9秒台も視野に入る。「やることをやればタイムはもっと出る。全力を出し切って、悔いの残らないようにしっかり良い走りができれば」。心技体がそろった時、夢の記録が生まれる。

 ▽男子100メートル世界選手権の出場条件 日本選手権3位以上の成績を収めた上で、同大会終了時点までに参加標準記録10秒05を突破した選手が即時内定となる。3位以内の選手が参加標準記録を満たしていない場合は、26日の有効期間終了までの記録突破、または、29日に世界陸連が公表するワールドランキングで出場資格を獲得すれば出場が決まる。

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2022年6月10日のニュース