サニブラウン 男子100メートル10秒08で優勝 世界陸上内定も「まだ昔の自分に勝てていない」

[ 2022年6月10日 20:31 ]

<第106回陸上日本選手権第2日>男子100メートル決勝で優勝したサニブラウン(撮影・坂田 高浩)
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 世界選手権代表選考会を兼ねて行われる陸上・日本選手権は10日、大阪市・ヤンマースタジアム長居で男子100メートル決勝が行なわれ、サニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が10秒08で3年ぶり3度目の優勝を果たし、7月の世界選手権(米オレゴン州)の代表に内定した。

 サニブラウンは9日の準決勝で10秒04を叩き出して世界選手権の参加標準記録10秒05を突破。決勝で3位以内に入れば代表内定という状態だったが、格の違いを見せつけた。

 米国を拠点に活動しているサニブラウンは、昨年の日本選手権では同じ会場の長居で100メートル6位。東京五輪の出場権を逃した。200メートルで出場した東京五輪も、ヘルニアによる腰痛で全47選手中44番目のタイムで予選落ち。それ以降は週6日の練習サイクルを2日連続で追い込んで1日休みに変更し、ウエートトレーニングのアプローチも試行錯誤。「今年(競技が)できているのは幸せ。久しぶりに体もスッキリして陸上を楽しめている」。予選でもただ一人10秒1台と結果を出し、自信を深めていた。

 それでも優勝後、サニブラウンは「勝ったのはいいんですけど、やっぱり自分弱いなという部分が…」と不満げ。世界選手権へ「あと1カ月きっちり仕上げたい。練習でもメダルを取れるヤツと戦っているので、本当にそこについていけるようにもっともっとギアを上げていきたい」と抱負。「19年以来の優勝ですが、昔の自分にまだ勝てていないので、しっかり世界選手権でいい結果出して、みんなに“お帰りなさ”と言われるように頑張っていきたい」と語った。

 ◆サニブラウン・ハキーム 1999年(平11)3月6日生まれ、東京都出身の23歳。父はガーナ人で母は日本人。陸上は小4から始めた。15年世界選手権は200メートルに出場。16歳172日で予選を突破し、大会最年少記録を更新。17年の世界選手権はウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持っていた200メートルの最年少決勝進出記録(18歳355日)も塗り替えた。19年6月には全米大学選手権で当時の日本新記録となる9秒97をマークした。1メートル90、83キロ。

 ▽男子100メートル世界選手権の出場条件 日本選手権3位以上の成績を収めた上で、同大会終了時点までに参加標準記録10秒05を突破した選手が即時内定。3位以内の選手が参加標準記録を満たしていない場合は、26日の有効期間終了までの記録突破、または、29日に世界陸連が公表するワールドランキングで出場資格を獲得すれば出場が決まる。

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