井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑨ 残り50ヤードからのアプローチ

[ 2022年6月10日 12:00 ]

井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑨ 残り50ヤードからのアプローチ
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 今回の連載で、新井貴浩氏が最も打ち方を知りたがっていたのが、残り50ヤードからのアプローチです。中途半端な距離からピンに寄せることができず、スコアメークに苦しんでいたとのこと。井戸木鴻樹プロによれば、50ヤードから寄せるには2通りの方法があると言います。自分に合った方を選択するべきですが、果たして新井さんはどちらを選択したのでしょうか。進行役はティーチングプロのジミー常住氏が務めます。 動画で見る・井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑨

 常住 新井さんは50ヤードからの打ち方を一番知りたかったそうですが、どうしてですか?
 
 新井 ドライバーショットで良い当たりをして、ボールが真っ直ぐ飛んでいくと、それくらいの距離が残るんです。難しいライからミスをしても納得できますが、良いライからミスをすると精神的なダメージが大きい。ですので、その打ち方を教えてもらって、しっかり身に付けたいと思っています。
 
 井戸木 新井さんは50ヤードを打つ際、どのクラブを使っていますか?
 
 新井 56度のサンドウエッジです。
 
 井戸木 そのクラブでフルショットするとどれくらい飛びますか?
 
 新井 100ヤードくらいだと思います。
 
 井戸木 分かりました。それでは一度50ヤードを打ってもらいましょう。
 
 新井 はい。うわっ、ダフってしまいました。
 
 井戸木 ナイスダフリです(笑)。あれだけダフって距離がピッタリでしたけど、普通に当たればどうなりましたか?
 
 新井 間違いなくオーバーしましたね。
 
 井戸木 新井さんに知ってほしいのは、56度のサンドウエッジが一つの円を描くことによって100ヤード飛ぶわけです。だとしたら、50ヤードを打つには、半円の大きさでスイングすれば良いわけです。振り幅で言うと、右腰から左腰までの大きさですね。試しにもう一度打ってみましょう。
 
 新井 はい。あれっ、右腰から左腰までの大きさで打ったのに、オーバーしました?
 
 井戸木 私には右肩までクラブを上げているように見えましたが(笑)。
 
 常住 自分のイメージより、実際は大きく振っている人は多いですよね。何か良いドリルはありますか?
 
 井戸木 スイングの大きさに関しては、携帯などで撮影しながら、実際の大きさとの誤差を調整していくのが良いでしょう。あとは練習場で50ヤード付近にある看板を狙うことです。キャリーで狙ううちに、自然とそれに合ったスイングの大きさになります。一般的に距離を打ち分けるには、スイングの大きさを変える方法とスイングスピードを変える方法があります。後者は難しいので、私は前者をお勧めします。
 
 新井 僕も振り幅で打ち分ける方法を練習していきたいです。
 
 井戸木 使用クラブと飛距離はその人によって異なるので、自分なりの距離感を身につけましょう。私の場合、50ヤードを打つときは58度のサンドウエッジを使います。フルショットが70ヤードなので、ハーフショットだと35ヤード。少し足りません。したがって、右肩と右腰の間くらいまでクラブを上げていきます。その際、ボールをスタンス中央よりも少し右側にセットしておくと、抑え気味にボールを打つことができます。あとはいつも通りのリズムでクラブを振るだけです。

(取材協力=兵庫・小野東洋ゴルフ倶楽部)


 ◆井戸木 鴻樹(いどき・こうき)1961年(昭36)11月2日生まれ、大阪府出身の60歳。豊川中(茨木市)3年時に日本ジュニア優勝。中学卒業後に研修生となり82年プロテスト合格。93年新潟オープンなどツアー2勝。ショットの精度に定評があり、01年以降7度フェアウエーキープ率1位となる。〝元祖日本一曲がらない男〟。13年全米プロシニア選手権で優勝し、日本男子初のメジャー覇者に輝く。

 ◆新井 貴浩(あらい・たかひろ)1977年(昭52)1月30日生まれ、広島市出身の45歳。広島工高―駒大を経て98年ドラフト6位で広島入団。05年に43本塁打で本塁打王。08年阪神移籍。11年に93打点で打点王。15年広島復帰。16年に通算2000本安打、通算300本塁打をマークしリーグVに貢献。MVPに輝く。日本代表の侍JAPANでも活躍。18年引退後にゴルフを始めベストスコアは87。

 ◆ジミー・常住 本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれ、東京都出身の40歳。日本プロゴルフ協会(PGA)会員。

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