大坂なおみ、ヤジに涙…観客から「ナオミ最低!」動揺隠せずストレート負け 試合後異例の場内スピーチ

[ 2022年3月14日 05:30 ]

テニスBNPパリバ・オープン第4日   ●大坂 0-6、4-6 クデルメトワ〇 ( 2022年3月12日    米カリフォルニア州インディアンウェルズ )

心ないヤジに涙を流して会場を後にする大坂なおみ(AP)
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 女子シングルス2回戦で世界ランキング78位の大坂なおみ(24)は同24位のベロニカ・クデルメトワ(24)に0―6、4―6でストレート負けした。第1セット第1ゲーム後、観客の女性から心ないやじを浴びせられて涙。試合は続行したものの精彩を欠いたプレーで完敗し、精神面の課題を突きつけられる結果となった。

 いきなりサービスをブレークされて第1セットの第1ゲームを失った直後。コートチェンジした大坂に、観客席から女性の声で「Naomi, you suck!(なおみ、あんた最低!)」とやじが飛んだ。大坂は主審に詰め寄り、女性と話そうと「マイクを貸して」と要望。主審は試合中にそんな前例はないと断り、再発すれば中断して観客を特定すると約束した。

 大坂も了承して試合を続行したが、動揺は隠せない。第3ゲームでサーブを打つ際には思わず涙を流し、ベンチでも涙が止まらなくなった。心配した主審や大会主催者が説得するかのように話す場面もあったが、一度乱れたリズムは取り戻せず第1セットは0―6。第2セットも落として敗退が決まった。

 試合後は敗者としては異例の場内スピーチを行った。「前にもやじを浴びたこともあるので気にはならなかった」と切り出すと、憧れのビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹が“被害”に遭った01年大会の例を挙げた。同大会では準決勝で姉妹対決が決まりながら姉ビーナスが棄権。決勝では妹セリーナがブーイングを浴びており「それが頭の中で何度も再生された。まだ見てない人は見た方がいい」と説明。「(泣いた理由は)分からないけど、泣かないようにした」と話し、うつむいてコートを去った。

 昨年の全仏オープンでの会見拒否騒動後、うつに悩まされてきたと公表。休養を取り、「テニスを楽しむ」と語って復帰したが、またも精神面を試される事態に見舞われ、乗り越えられなかった。18年にツアー初優勝を飾った思い出の大会は、大坂が抱える課題を改めて浮き彫りにした。

 ▼クデルメトワ 試合に集中していたから女性が何と言ったのか聞こえなかった。なおみが泣き始めたのを見て何が起こったのか分からなかった。

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