西郷真央、2週連続V逃し2位も…「最終日最終組18番」極限の重圧の中で見せた底力

[ 2022年3月14日 05:30 ]

女子ゴルフツアー明治安田生命レディース最終日 ( 2022年3月13日    高知県 土佐CC=6228ヤード、パー72 )

<明治安田生命レディース・最終日>18番、セカンドショットを放つ西郷(撮影・井垣 忠夫)
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 首位に1打差の2位から出た西郷真央(20=島津製作所)は4バーディー、1ボギーの69をマークし、通算12アンダーまでスコアを伸ばしたが、1打届かず2位だった。初優勝した前週の開幕戦に続く2週連続優勝は果たせなかったが、重圧のかかる18番の第2打で「今日一番」のショットを披露。底力を示した。4打差の5位から出たサイ・ペイイン(30=台湾)がこの日のベストスコア65で回り、日本ツアー初優勝を飾った。

 奥からの下り3メートル。プレーオフ進出を懸けた最終18番のバーディーパットはカップの手前20センチで止まった。

 スパイクマークなどでグリーン面にできた凹凸の影響を少なからず受けた格好だが、こうした不運は最終日最終組で優勝を争う選手のいわば宿命。西郷自身「ミスパットではないので」と、この結果を受け止めていた。

 自身8度目の2位だが潔く振り返ることができたのは、その前の一打に結果以上の収穫を感じたからでもあるだろう。1打差で追う18番の第2打は距離120ヤード。風は左からのフォロー。手にしたのはPWだった。バーディーを導き出すことはできなかったが「今日一番のショット」。極度の重圧がかかる場面で出せた納得いくスイング。球の高さ、方向性とも思い描いた弾道とほぼ重なった。

 オフにはティーショットを安定させるため弾道の高さから見直そうと、1Wのロフト角を9・5~10・5度まで0・2度刻みでテスト。ギアはメーカー任せという女子プロが多い中、西郷は特異。師匠の尾崎将司が「プロの中でもトップと思う時がある」と評した「ゴルフ頭脳」が、一打の質を高めている。

 「先週も決していい感覚で臨んでたわけではなかったので、体の動きを変えました」。開幕戦を制してもなお、立ち止まらず自分の感覚のズレを修正し、変化を求めた1週間。目先の1勝だけにこだわらない大胆さは並の20歳にはない。2勝目はそう、遠くない。

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