安藤友香 日本人最高3位でMGC切符 「忍者走り」でニンニン!2時間22分22秒

[ 2022年3月14日 05:30 ]

名古屋ウィメンズマラソン ( 2022年3月13日    名古屋市・バンテリンドームナゴヤ発着、42・195キロ )

名古屋ウィメンズマラソンで日本人最高位となる3位でフィニッシュする安藤友香(撮影・椎名 航)
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 安藤友香(27=ワコール)が2時間22分22秒で日本人最高となる3位に入った。24年パリ五輪の出場権を争う来年秋のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権を手にするとともに、7月の世界選手権(米オレゴン州)の派遣設定記録(2時間23分18秒)を突破し、出場への可能性を残した。MGC出場権は合計8選手が獲得。ルース・チェプンゲティッチ(27=ケニア)が大会新の2時間17分18秒で初優勝した。

 笑顔はなくても、安藤が意地の走りを見せた。後半にラップタイムを落としながらも、日本人最高となる3位でフィニッシュ。2時間22分22秒というゾロ目で22年大会のゴールを駆け抜けた。体調不良により表彰式は途中退席し、記者会見は欠席。その後の代表取材では悔しさをにじませた。

 「(ペースの)上げ下げは五輪や世界陸上なら当たり前。自分の力不足でついていけなかった。現状を受け止めないといけない」

 5キロすぎから、チェプンゲティッチがペースメーカーよりも前に出る展開。「思っていたよりも早い」仕掛けにはついていけなかったが、15キロ付近でサルピーターがギアを上げると、食らいついた。

 「“ここはついていかないと後悔する”と。挑戦者として、思い切っていきました」。6日の東京マラソンはテレビ観戦。同じワコール所属で後輩の一山麻緒が日本勢最高の6位に入り刺激を受けた。リラックスして走るために両腕を大きく振らずに下げることから、その走法が「忍者走り」といわれる27歳。後半遅れて自己ベスト更新やマラソン初制覇はならなかったが、3位は譲らなかった。

 昨夏の東京五輪は女子1万メートルに出場して22位。ただ、今は「パリ五輪はマラソンでメダルを目指して頑張りたい」と公言する。これでMGC出場権を獲得。派遣設定記録を突破した世界選手権への出場は新谷らと争っており、選考に身を委ねることになった。

 「後半に1人になってからの失速が大きくて、実力のなさを痛感した。強化に取り組んでいきたい」

 2年後の大舞台へと臨むため、苦い経験を成長につなげる。

 ▽マラソン世界選手権の選考メモ 3枠の女子1番手は東京マラソン日本人トップで選考ランク1位の一山が確実で、大阪国際女子マラソンVの松田も濃厚。残る1枠を安藤、東京マラソン2時間21分17秒で日本人2位の新谷が有力候補に挙がる。日本陸連の高岡長距離・マラソン担当シニアディレクターは「新谷選手は所属先と本人の気持ちもある。彼女に確認する必要がある」とし「いろんなことを考えてパリ(五輪)につながることを考えてできれば」と語った。

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