パラスポーツ普及のため競技団体、報道陣つなぐ懸け橋

[ 2022年3月14日 05:30 ]

取材現場や大会を会場を取り仕切るパラネットのスタッフ
Photo By 提供写真

 【支える人(9)】「ラスト1問でお願いします」。北京パラリンピック期間中は、このような言葉が何度も飛び交った。一般社団法人「パラスポーツ推進ネットワーク(通称・パラネット)」は、平山豊事務局長(58)を筆頭に松村英樹さん(57)、風間雄亮さん(41)、河野倖音(ゆきね)さん(23)が選手のみならず、競技団体、報道陣を支えている。

 パラスポーツの転機は13年、東京五輪・パラリンピック開催が決定した時だ。報道各社がパラ班を設置し、取材合戦がスタート。しかし、いざ取材が始まると、問題が起きた。競技団体は少数で運営されており、取材対応ノウハウも確立されていなかった。

 そこで18年、大手広告代理店の電通グループを中心に設立されたのがパラネットだった。データベースを開設し、選手情報や障がいクラス、試合記録などを細かく開示。広報活動はもちろん、大会運営から取材現場の取り仕切りまで幅広く支援してきた。

 松村さんは「どうやったら、人が楽しく見られるか。運営、発信方法もサポートしている」とファン獲得にも熱心だ。学生時代からパラスポーツに携わってきた河野さんは、選手と報道陣の間を取り持ち、競技団体に負担のかからないよう調整。「競技団体を支えて、それがパラスポーツの普及として広がってくれれば」と熱い思いを持っている。

 今回の北京には、風間さんが日本パラリンピック委員会(JPC)のサポートとして同行。「選手たちの負担を軽減しながら、メディアの皆さんに発信してもらえるように」と寄り添っている。「今後は企業、団体、メディアさん、学校、自治体などをつなげてパラを普及させたい」と平山さん。パラをつなげるネットワークは無限大だ。=おわり=

続きを表示

2022年3月14日のニュース