レジェンドから新エースへ…新田&川除、充実の師弟リレー ノルディック距離日本は7位入賞

[ 2022年3月14日 05:30 ]

北京冬季パラリンピック最終日 ノルディックスキー距離 ( 2022年3月13日    国家バイアスロンセンター )

ノルディックスキー距離オープン10キロリレーで、ゴールした川除大輝(下)に駆け寄る新田佳浩
Photo By 共同

 国家体育場(通称「鳥の巣」)で閉会式が行われ、障がい者スポーツの冬の祭典が幕を閉じた。最終日のノルディックスキー距離オープン10キロリレーで、1、3走の新田佳浩(41=日立ソリューションズ)と2、4走の川除(かわよけ)大輝(21=日立ソリューションズJSC)で挑んだ日本は7位入賞。今大会が集大成の新田と、20キロクラシカルで金を獲得した川除の師弟リレーが完結した。

 レジェンドから、新エースへ。ノルディックスキー距離日本のバトンは未来へつながった。川除はゴールすると大の字になり、駆け寄った新田は「全て出し切った。最後までよく頑張った」と充実感を漂わせた。

 2人の執念が、最後の最後で実った。3走の新田が8位でつなぐと、アンカーの川除がチャージ。1分以上先に出ていたドイツを猛追し、ゴール直前で抜き去った。練習や合宿、遠征をともにしてきた“師匠”新田から常々伝えられていた「諦めないこと」を体現した川除は「最後まで諦めなくてよかった」と胸を張った。

 普段は仲の良い2人が、一度だけ“衝突”したことがある。北京パラ直前合宿に参加していた2月上旬。7大会連続出場の新田から言葉が漏れた。「(もう)年だから」。20歳年下の川除は、納得できず「それは、ちょっと言い訳じゃないですか?」と伝えたという。新田は「叱咤(しった)激励された」と後輩の思いを受け止め、スイッチを入れ直した。

 川除は「最後は新田さんと走りたい」と志願して挑んだ今大会最終レース。それは、エースの引き継ぎでもあった。「彼にバトンを渡すことができた。僕の役割は果たせた」と新田。レジェンドのレガシーは、新エースへ託された。

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2022年3月14日のニュース