【玉ノ井親方 視点】照ノ富士は墓穴を掘った 大栄翔が大関、横綱を撃破

[ 2022年3月14日 19:56 ]

大相撲春場所 2日日 ( 2022年3月14日    エディオンアリーナ大阪 )

<春場所2日目>大栄翔の送り出しに敗れる照ノ富士(左)(撮影・後藤 正志) 
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 照ノ富士は墓穴を掘った。左からの張り手が空を切り、体が浮いたところを大栄翔に右から抱え込まれ、少し横を向かされるような形になって、送り出された。

 張り手は、立ち合いで相手の出足を止めるようなときには有効だか、動きの中で繰り出すと、うまく当てられずに逆に不利な態勢になってしまうことがある。馬力のある大栄翔の動きを止めて、懐に入られないようにという狙いだったのだろうが、やぶ蛇だった。

 ただ、横綱の動き自体は悪くなかった。足もよく前に出ていたし、不安を抱えている膝の状態も気にする様子はなかった。序盤の黒星は想定外には違いないが、尾を引くような相撲内容ではない。気持ちを切り替え、3日目からはまた横綱らしい相撲を見せてくれるはずだ。

 一方の大栄翔は初日の正代に続いて横綱を撃破し、最高の気分なはずだ。押し相撲の力士は波に乗ると、一気に突っ走っていくことが多い。優勝経験もあるので、プレッシャーを感じて自分のペースを乱すようなこともないだろう。今場所は目が離せない存在になりそうだ。(元大関・栃東)

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