御嶽海「大関1勝」 06年白鵬以来の昇進場所Vへ好発進

[ 2022年3月14日 05:30 ]

大相撲春場所 初日 ( 2022年3月13日    エディオンアリーナ大阪 )

逸ノ城を押し出しで破り、懸賞を手に花道を引き揚げる御嶽海(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 初場所優勝で大関に昇進した御嶽海(29=出羽海部屋)は逸ノ城(28=湊部屋)を冷静に押し出し、「大関1勝」を挙げた。横綱・照ノ富士(30=伊勢ケ浜部屋)は新小結・豊昇龍(22=立浪部屋)を寄せ付けず白星発進。カド番の2大関は貴景勝(25=常盤山部屋)は勝利したが、正代(30=時津風部屋)は敗れ明暗が分かれた。大阪では3年ぶりに有観客で開催され、約5000人が来場した。

 内容に納得がいかなかったのだろうか。大関初勝利を飾ったというのに、御嶽海は取組後のリモート取材に応じることなく会場を後にした。八角理事長(元横綱・北勝海)は「御嶽海は立ち合いに思い切りがなかった。自分の力を出していくのは2日目からではないか。慎重にという感じだった」と分析。巨体の逸ノ城を押し込めず、相手の圧力に後退する場面があった。

 それでも土俵際で回り込みながら勢いを止め、タイミングよく中に入った。最後は右のはずと左おっつけを利かせて押し出し。立ち合いで体を丸めて上手を与えなかったのも効果的だった。審判長を務めた錦戸親方(元関脇・水戸泉)は「前傾姿勢で安心して見ていられた。先場所と変わりなく、ひょうひょうと取れるのがいいところ」と評価した。

 勢いだけでは務まらないのが大関の看板。2000年以降の新大関21人のうち、昇進場所で優勝したのは02年初場所の栃東と06年夏場所の白鵬のみ。大関の勝ち越しと言われる2桁は約半分の12人しかいない。御嶽海は初場所後に新型コロナウイルスに感染し、入院も経験。約10日間は体も動かせなかったが、日頃から重きを置く基礎運動の量を増やしながらカバーしてきた。

 この日は地元の後援会から寄贈された新しい化粧まわしをつけて土俵入り。横綱、大関のみが許される紫色が使われ、責任感を漂わせている。場所前には「大関は言い訳が許されない」と話していたが、昭和以降でも6人しか経験していない新大関優勝に妥協は許されない。

続きを表示

2022年3月14日のニュース