菜那 五輪日本女子初の連続2冠へまず1500メートルで弾み、調子が「良くなってきた感じある」

[ 2022年2月3日 05:30 ]

調整する高木菜(手前)
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 北京五輪(4日開幕)に出場するスピードスケート日本代表が2日、本番会場の国家スピードスケート館で練習を行った。18年平昌五輪の女子団体追い抜きとマススタートで金メダルを獲得した高木菜那(29=日本電産サンキョー)は五輪で夏冬通じて日本女子史上初、冬季では男女通じて初となる2大会連続2冠の挑戦権を持つ。自身3度目の五輪は3種目に出場予定。まずは最初のレースとなる女子1500メートルに集中して、偉業達成へ弾みをつける。

 五輪2大会連続2冠は日本勢は過去4人しか成し遂げていない。体操の加藤沢男、中山彰規、塚原光男、競泳の北島康介。18年平昌五輪で女子団体追い抜きとマススタートを制した高木菜は、北京五輪に出場する日本選手124人で唯一、偉業への挑戦権を持つ。現地入り後3度目の本番会場での練習となったこの日は妹・美帆、佐藤と隊列を組み、スピードに乗って滑りを確認。「(調子が)良くなってきた感じがある。ここから1週間で、もっと良くなるように調整したい」と視線を上げた。

 7日の女子1500メートル、12日に1回戦、15日に準決勝と決勝を行う女子団体追い抜き、19日のマススタートの3種目に出場する。過去2度の五輪はタイムを争う個人種目で力不足を露呈し、14年ソチは1500メートル32位、18年平昌は5000メートルで12位に低迷。今大会は1500メートルに懸ける思いが強く「私の中の順位は1500メートルとパシュート(団体追い抜き)が上。(2種目が)終わってから時間があるので、そこからしっかりマスに向かいたい」と青写真を描いた。

 昨年11月にコロナに感染し、W杯第1戦を欠場。昨年11、12月のW杯前半戦の成績で代表権を得られず、昨年末の選考会で日本代表に滑り込んだ。「11~12月にかけてプレッシャー、緊張感が凄かった。それに比べれば今は落ち着いている。また緊張感が上がると思うが、前回の1カ月を乗り越えたことを自信にして、しっかり戦いたい」。4年前に獲得した2つの金メダルは北海道帯広市の自宅の引き出しにあり、最近1年は一度も目にしていない。「大切なものだけど、振り返ることはない。平昌と北京は切り離して考えている」。連覇も2冠も意識せず、目の前のレースに集中する。

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