南秀樹のスコアアップ術③ ミドルアイアンのミート率を上げる

[ 2021年11月19日 12:00 ]

南秀樹のスコアアップ術(3)
Photo By スポニチ

 第3回のテーマは、ミドルアイアンのミート率を高める方法についてです。ひと昔前と比べると、最近のアイアンは1・5~2番手ほどロフトが立っていると南秀樹コーチは言います。したがって、6、7番アイアンは決して簡単なクラブではありません。正しい腕の振り方を覚え、ダウンブローの打ち方を身につけましょう。

 現在のアイアンはパワーロフトといって、昔と同じ番手よりも1・5~2番手ほどロフトが立っています。6番アイアンなら4、5番アイアンだと考えましょう。飛距離は出ますが、ボールが上がりにくいのが特徴です。アドレスでは、ボールをスタンスの真ん中に置きますが、ボールが上がりにくいと感じたら、左に寄せます。両手の位置は左目の下にセットすると、自然とハンドファーストの形になります。

 よくアドレスからトップ・オブ・スイングまでの動きを一つだと思っている人がいますが、正しくはテークバックとバックスイングに分かれます。まずは、テークバックの形を覚えることです。

 腰を回さず、両肩とクラブヘッドを結んだ大きな三角形を崩さずに上げることができるポイント。そこまでがテークバックです。したがって、テークバックでは腰を回さず、肩だけ回すのが正解です。

 テークバックからは、右肘を畳みながら腰を右に回すとトップ・オブ・スイングの完成です。練習では、テークバックで一度スイングを止め、そこからトップ・オブ・スイングまで上げてボールを打つと、腹筋に力が入るし、正しい動きでクラブを下ろしてくることができます。テークバックの形から腰を左に回してアドレスの位置にクラブを戻すと、インパクトでは下半身リードの形が完成します。

 また、スイング中にしっかりと腕を振る動きがなければ、ミドルアイアンのミート率は上がりません。ドリルとしては、スタンスを肩幅よりも狭い状態でアドレスし、体を回さずにトップ・オブ・スイングまでクラブを上げます。そこから体を正面に向けたまま一気に振り抜きましょう。腕を柔らかく、しなやかに使うのがポイントです。フォロースルー以降は、肘を曲げて腕を畳みましょう。自宅では、タオルや短いホースを握って素振りを行います。バックスイングで左腕を伸ばす必要はありません。多少左腕が曲がる方が正解です。

 アドレスではハンドファーストに構えましたが、これには理由があります。アイアンショットでもドライバーショット同様にシャフトのしなり戻りがあるからです。たとえシャフトが短くても、スチールシャフトでも必ずしなり戻ることを頭の中に入れましょう。しなり戻りがあると、アドレスの位置にクラブヘッドが戻ってきたときにロフトは少し大きくなっています。そのことを知らずに打つと、アッパーブローでボールをとらえるので、すくい打ちになります。オーバースピンがかかってボールが上がらず、飛距離も出ません。

 これを防ぐには、スイングの最下点よりも手前でボールを打つことです。そのためにもアドレスではハンドファーストに構えて下さい。先ほどの腕振りと合わせると、ダウンブローの軌道でボールをヒットします。しっかりと練習しておきましょう。

 (取材協力=兵庫・オリムピックゴルフ倶楽部) 

 ◆南 秀樹(みなみ・ひでき)1974年(昭49)2月21日生まれ、香川県出身の47歳。プロゴルファーだった父の影響で中学2年からゴルフを始め、香川西高卒業後に日本プロゴルフ協会のティーチングプロ資格を取得。鈴木愛、成田美寿々らを指導。現在は男子の塚田陽亮や今年復活優勝した岡山絵里、木村彩子らのコーチとして活躍。

続きを表示

2021年11月19日のニュース