渋野イーグルで決めたハッピーハロWIN!「ハラハラドキドキ」“プレーオフおばけ”3戦3勝

[ 2021年11月1日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディース最終日 ( 2021年10月31日    埼玉県 武蔵丘GC=6650ヤード、パー72 )

プレーオフ、ウイニングパットを決めガッツポーズを見せる渋野日向子(撮影・西尾 大助)
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 渋野日向子(22=サントリー)が2打差で追走したペ・ソンウ(27=韓国)に最終18番で並び、プレーオフ1ホール目の劇的イーグルで、制した。3週前のスタンレー・レディースに続く今季2勝目を挙げた。日本ツアー通算6勝目で、プレーオフは3戦3勝となった。4日開幕のTOTOジャパンクラシック(スポニチ主催)で自身初の2週連続優勝に挑む。

 決めれば優勝が決まる3メートルのイーグルパット。ど真ん中からカップに放り込み、渋野は力強いガッツポーズを繰り返した。ギャラリーの大歓声に応える満面の笑み。最終18番で2打差を追いつき、同じ18番でのプレーオフをイーグルで制す劇的勝利だった。
 「これだけ落ちぶれても応援してくださる方々がいたからこそ、やってこられた。見ている側からするとハラハラドキドキする勝ち方。面白い勝ち方ができて凄くうれしいです」

 ペ・ソンウと首位に並んでスタート。マッチレースは中盤まで首位が入れ替わる激戦となった。しかし終盤は劣勢となり、17番では2打差をつけられた。だが、ここでスイッチが入るのが渋野の強さだ。最終18番パー5で199ヤードの第2打を7Wで6メートルに2オン。バーディーを奪い、ペがボギーとしたことで土壇場で追いつく。迎えたプレーオフ。「一球入魂で」。220ヤードを3Wでピン左手前3メートルに再び2オンさせて勝負を決めた。「あれはもう、一生打てない」。再現性を求めて取り組んだスイング改造が、ここ一番で生きた。

 今年6月の全米女子プロ選手権。第2日の上がり2ホールでバーディー、イーグルを奪いカットライン上で予選を通過した。その際にギャラリーから「面白いゴルフをありがとう」と声を掛けられ、「面白いゴルファーになりたいと思った」と振り返る。理想とした“面白いゴルフ”を見せるためには、勝負強さが必要。「勝負の世界。完全に自分の中に入っていた」。プレーオフはこれで3戦3勝となり「チャンスを生かして、こうやって優勝できて良かった」と胸を張った。

 昨年はエースを達成しながら予選落ちした大会で、鮮やかなリベンジ。海外メジャー覇者の大先輩の樋口久子の名前を冠したトーナメントを初制覇し「ズタボロにされたここで優勝できて、自信になる。樋口さんにも喜んでもらえてうれしい」と実感を込めた。次週はTOTOジャパンクラシックが待っている。「例年はUSLPGAツアーを開催するコース。やりがいがありますね」。この勢いのまま、自身初の2週連続優勝に挑戦する。

 ≪渋野の過去のプレーオフ≫▽資生堂レディース(19年7月4~7日) 最終日を2打差2位から出ると、71で回り通算12アンダーで並んだイ・ミニョン(韓国)とプレーオフに。18番パー4の1ホール目でラフからの第3打を80センチに寄せてパーをセーブ。アプローチをミスしたイ・ミニョンを振り切り、ツアー2勝目を挙げた。

 ▽スタンレー・レディース(21年10月8~10日) 2打差を追った最終日に68で回り、通算10アンダーで並んだペ・ソンウ、木村彩子、アマチュアの佐藤心結とのプレーオフに。18番パー5で行われ、1ホール目はバーディーを奪えなかった木村が脱落。3人による2ホール目は渋野だけがバーディーを奪って勝負あり。1年11カ月ぶりの勝利に涙を流した。

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