服部道子氏 「これぞ渋野日向子」の勝ち方 光った“ここぞ”の集中力

[ 2021年11月1日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディース最終日 ( 2021年10月31日    埼玉県 武蔵丘GC=6650ヤード、パー72 )

プレーオフ、ウイニングパットを決める渋野日向子(撮影・西尾 大助)
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 【服部道子の目】メジャーの全英女子オープンで優勝した時のような渋野選手の強い勝ち方でした。

 本戦の最終ホールでペ・ソンウ選手がボギーを叩き、2打差を追いついて“よし!!行くぞ”とスイッチが入った印象です。プレーオフの18番パー5は、完全にイーグル狙い。左に切ってあったピンまで残り220ヤード。グリーンの手前にはガードバンカーがあり、一歩間違えばそこにつかまる危険がありました。ペ・ソンウ選手はバンカーを避け、右のグリーン手前に落とす無難な攻め。でも、渋野選手は迷うことなく3Wでバンカーの右端ギリギリを狙い、そこからマウンドのキックを使って3メートルに2オンさせました。攻めの気持ちが、キックまで良い方向に行かせたような気がします。

 この日は番手と番手の間の中途半端な距離を打つ時のコントロールショットが本来の出来ではありませんでした。距離を合わせにいって、上下のバランスも良くなかった。でも、フルショットの時はバランスもリズムも良く振り切れて、精度も高かった。プレーオフの第2打もフルショットの距離を残していたのが、良かったと思います。彼女の“ここぞ”の集中力は本当に素晴らしい。マインドセットされたら、指先まで全ての体の動きが合致して一つの方向に行く。最終日はこれぞ渋野日向子、という勝ち方を見させてもらいました。(プロゴルファー)

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2021年11月1日のニュース