池村 涙のツアー初V!恋人キャディーと“愛のタッグ”で5打差大逆転

[ 2021年11月1日 05:30 ]

男子ゴルフツアー ISPSハンダ・ガツーンと飛ばせ最終日 ( 2021年10月31日    茨城県 美浦GC=6988ヤード、パー71 )

優勝した池村はキャディーの坂口さんとかぶとを手に笑顔(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 2位から出た池村寛世(ともよ、26=ディライトワークス)が7バーディー、1ボギーの65をマーク。通算17アンダーとして5打差を逆転しツアー初優勝を飾った。単独首位で出た植竹勇太(26=セガサミーホールディングス)は72とスコアを伸ばせず、稲森佑貴(27=国際スポーツ振興協会)、香妻陣一朗(27=国際スポーツ振興協会)と並び通算15アンダーの2位だった。

 プロ9年目の初優勝。交際中の坂口琴音キャディー(25)から「長かったね」と声を掛けられ、涙がこぼれた。池村は恋人の肩に顔を埋めて泣いた。

 故郷・鹿児島の同級生・坂口さんにはプロキャディーの都合がつかない試合でバッグを託す。最初に組んだ19年のツアー外競技でも優勝をもたらした勝利の女神だ。「今年予選通過できない時期に“練習していれば大丈夫”と言ってくれて練習に付き合ってくれた。キャディーをしている時に勝てて良かった」

 5打差を追いかけ、後半のバーディーラッシュでひっくり返した。1メートルにつけた11番から4連続バーディー。16、17番で4メートルを沈めて連続バーディーで首位に立った。初優勝における最大の逆転は7打差(99年以降)。5打差は初Vに限れば歴代3位の大逆転劇となった。

 1メートル66、72キロと小柄ながら1Wで320ヤードを飛ばす。ただティーアップすると左に引っかける悪癖がある。そのミスを防ぐため、2年前からは芝の上にボールを置いて打つ「直ドラ」を多用する。飛距離は20ヤード落ちるが、精度は勝る。最終日も4、8、10番のティーショットが直ドラ。バッグから3Wを抜き、パー5の第2打も直ドラでピンを狙う。異色の武器が好スコアを後押しした。

 沖縄出身の比嘉一貴とはジュニア時代からのライバル。既に2勝している盟友を意識し「1勝目をラッキーで終わらせずに2勝、3勝と比嘉プロに追い付きたい。天狗(てんぐ)にならずやっていきたい」と次なる目標を口にした。

 【池村 寛世(いけむら・ともよ)】☆生まれ&経歴 1995年(平7)8月30日生まれ、鹿児島県出身の26歳。10歳の時に父親の影響でゴルフを始める。尚志館高2年時に国体個人で優勝。12年オーストラリアに留学。帰国後に高校中退。13年プロ転向。14年ツアーデビュー。17年初シード獲得。1メートル66、72キロ。

 ☆飛ばし屋 19年は平均飛距離303.52ヤードでランキング5位。16年には2位にもなった。ティーショットで2Iを多用している今季も297.78ヤードで14位。1Wならキャリーで300ヤード、ランを含むトータルで320ヤードを飛ばす。

 ☆スポーツ万能 小学生時代にサッカーを経験。現在も週末には友人と試合に出場している。オフにはスノーボードを楽しむ。「コロナが落ち着いたら北海道のニセコに行きたい」

 ☆実家 鹿児島の芋焼酎「魔王」の原料となるサツマイモ「紅はるか」を生産する農家の長男。父親からは「ゴルフで稼げないなら農家を継げ」と言われていた。 

続きを表示

2021年11月1日のニュース