萩野公介が現役引退「最後に自分なりの答えが見つけられた」 「なぜ泳ぐのか」にたどり着いた境地とは

[ 2021年10月24日 20:42 ]

現役引退を表明した萩野
Photo By スポニチ

 16年リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(27=ブリヂストン)が24日、都内で会見を開き、現役引退を正式に表明した。生後6カ月にベビースイミングで水泳をはじめ、五輪3大会連続出場。涙はなく、最後まで笑顔で「水泳ニアリーイコール人生」と表現するプールに別れを告げた。

 ――いつ現役引退を決断した?
 「具体的な日にちはない。休養した19年には、周りの方から“やめてもいい”と言ってもらった。そのとき初めて、引退かなと思った。もう一度ちゃんと水泳に立ち向かい、どんな結果でも(東京五輪の代表選考会を兼ねた)日本選手権で代表落ちしようが、最後だなと決めた」

 ――引退を決めた理由は?
 「体力もそうですし、気力もそう。以前のように何が何でもしがみつくようなところがなくなっていた。現役最後の方は、結果を追い求めるよりも、なぜ泳いでいるんだろうと考えていた。最後に、自分なりの答えをみつけられた」

 ――その答えとは?
 「最初は速く泳げばいいと思っていた。1位だったらいい、記録を出せばいい、と。そればかり追い求めていたが、そこに何が残るのかと強く感じるようになった。泳ぐことが生きることにつながって、生きるとは何かを考えた時に、苦しくても、たくさんの人の力を借りながら前に進むことが、生きるということなんだと思う」

 ――プロに転向して5年、役割は果たせたと思うか。
 「もっと格好良く終わる予定だったんですが、予定は未定だなと。結果や、タイムを基準に考えたらプロとしての役割を果たせたかどうか、怪しい。ただ、僕自身は、それだけではないと気付けた。苦しみながらも、全力で泳げた。格好いい姿だけが、プロではない。全力でやれてよかった」

 ――東京五輪の200メートル個人メドレーの準決勝を通過したときの涙が印象的だった。
 「実力的に準決勝で落ちてもおかしくなかった。まさかもう1本泳げるとは思っていなかった。心の底からうれしいと思ったのは、幼少期以来だったかもしれない」

 ――リオ五輪の金メダルとはどんなものだった?
 「いい思いも、苦しい思いも、すべてくれた存在だと思う」

 ――今の心境?
 「気持ちは楽になりました。今まで次の日は練習へ行くのが当たり前だったので。すがすがしい気持ちが強い。やり切ったと同時に、不思議な感覚」

 ――瀬戸とはどんな話をした?
 「“お疲れさま”と言われた。僕は“ありがとう”と。彼がいなかったら、僕はいなかったので、そう伝えました。特別な関係だったので、それがなくなるのは寂しい。彼は現役続けるので頑張ってほしい」

 ――16年に骨折した右肘の影響は?
 「言い訳にはしたくないが、正直いい状態にはほど遠く、こういう風に泳ぎたいと思っても物理的に泳げないことが多かった。力を抜いて泳ぎたいと思っても力が入ったり。ケガには苦しみました」

 ――今後は?
 「大学院に進学する予定です。水泳、スポーツが好きなので、そういうことに携わればと思う。環境問題とか、いろんなことに興味がある。得意、不得意ではなく、いろんなことに挑戦して、第二の人生を頑張っていきたい。指導者には向いていないと思っているので、指導者の道は考えていない」

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2021年10月24日のニュース