金沢 ベスト68!1差2位浮上、26歳・遅れてきた実力者が飛躍の秋「初優勝目指して頑張ります」

[ 2021年10月23日 05:30 ]

女子ゴルフツアー NOBUTA GROUP マスターズGCレディース第2日 ( 2021年10月22日    兵庫県マスターズGC=6571ヤード、パー72 )

<マスターズGCレディース第2日>3番でティーショットを放つ金沢(撮影・井垣 忠夫)
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 4打差7位から出たツアー未勝利の金沢志奈(26=クレスコ)が5バーディー、1ボギーでこの日ベストスコア68をマーク。通算7アンダーで勝みなみ(23=明治安田生命)、笠りつ子(33=京セラ)とともに首位と1打差の2位に浮上した。71で回ったささきしょうこ(25=日本触媒)が単独首位を維持。ツアー屈指の賞金総額2億円を誇る秋のビッグトーナメントは、4日間競技で行われている。

 第2日の平均スコアは73・5648。晴天下、緩やかに吹き続ける秋風も影響し、グリーンは硬く、速く、コースの難易度は増した。金沢は正確なショットでグリーンを捉え、チャンスをつくり、ベストスコア68をマーク。優勝戦線に浮上し、ホッとした笑みをたたえ予選2日間を終えた。

 「フェアウエーキープが凄く良くて、パーオン率も良い。本当に良い内容でゴルフができていると思います」

 前半はボギーなしの3バーディー。いずれもパー4でフェアウエーからの第2打を4メートルにつけてスコアを伸ばした。12番で今大会初のボギーを叩いたが、15番パー5では第3打を1メートルにぴたり。フェアウエーキープ率は85・71%、パーオン率は88・89%。前週まで左を向いていたスタンスを「思い切って直してみよう」とスクエアに修正したことが、ショットの安定を生んだ。

 高卒でプロテストを受ける同級生が多数を占める中、「受けたかったけど私は実力も体力も足りない」と千葉・中央学院大に進学。3年時に中退し、17年プロテストを受験した経歴を持つ。この年の「89期」は小祝さくら、勝みなみら黄金世代のエリートぞろいの中で、一発合格した。

 合格後も同期が次々と初優勝を飾る中、昨季は賞金ランキング51位とわずか25万円ほどの差でシードを逃した。ただ、悔しさはあっても焦りはなかった。「飛び抜けて黄金世代のみんなが成績を残していた。焦りとかはなくて、技術的にもメンタル的にも尊敬する部分がたくさん」。26歳は地道に実績を重ね、現在の賞金ランクは35位。プロ5年目で初シードを手中に収めつつある。トップ10も一昨季は1度、昨季は3度、今季はすでに6度。年々増加する回数は、努力に裏打ちされる。

 首位に1打差の好位置で迎える決勝。「精いっぱいプレーをして、初優勝を目指して頑張ります」。変わらぬ静かな口調に、闘志がにじんだ。

 ◇金沢 志奈(かなざわ・しな)1995年(平7)7月29日生まれ、茨城県笠間市出身の26歳。8歳の時にゴルフを始める。千葉・中央学院大中退。15年ユニバーシアードで個人、団体とも銀メダル。16年日本女子学生選手権優勝。17年プロテスト合格。同年ステップアップツアーの山陽新聞レディースで優勝。1メートル64、53キロ。

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