ラグビー日本代表に“アウェーの洗礼” 戦術丸裸にされていた 藤井強化担当が総括会見

[ 2021年7月6日 16:53 ]

オンラインで総括会見に臨む藤井雄一郎ナショナルチームディレクター
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 ラグビー日本代表の強化を担当する藤井雄一郎ナショナルチームディレクターが6日、欧州遠征2試合を終えてオンラインで会見に臨み、「(5月下旬の)別府合宿からスタートとして、強化試合、ライオンズ戦、アイルランド戦と尻上がりに良くなった。負けたがいい方向に行っている。アウェーの隔離環境で、選手は本当に強いストレスの中で、ホテルから一歩も出られなかったが、集中力を切らさずにワンチームを保ち、最後まで戦い抜いてくれた」などと総括した。

 19年W杯以来、約2年ぶりの活動となった日本代表は、6月26日の全英・アイルランド代表ライオンズ戦に10―28、今月3日のアイルランド戦に31―39で敗戦。テストマッチ2連戦は連敗に終わったが、いずれ劣らぬ強豪相手に「パフォーマンス的にはいい試合ができた」と及第点を与えた。

 コロナ禍での遠征では様々な制約を受ける中、ライオンズ戦前には想像以上の“アウェーの洗礼”も受けたという。当初、練習のためにあてがわれたのは「ポール(ゴールポスト)もないようなグラウンド」。さらに「サインプレーがほとんどバレた。完全に丸裸にされた」と話し、「(ライオンズが)絶対に負けられないという雰囲気は、いろんなところから感じた」と振り返った。もちろん全ては日本がW杯で8強入りを果たし、それだけ警戒される対象になった証拠。一方で「協会の仕事かも知れないが、そういう面ではまだまだ。(日本ラグビー界)全体で戦わないといけない。特にアウェーでは難しい」と今後の課題を挙げた。

 トップカテゴリーである日本代表はようやく強化を再開したが、次世代を担う20代前半までの有望選手の強化は、いまだ時計の針が止まったまま。藤井氏はこの点についても「スコッドを外れた選手が試合をする機会がない。それをどう創出するか。サンウルブズがなくなり、どう経験を積ませるかに頭を悩ませている」と吐露。選手層に厚みを持たせ、23年W杯以降の代表を担う世代の強化が、今後の大きな課題となる。

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2021年7月6日のニュース