組織委が貫く“五輪有観客” 政府の方針を盾に「結論ありき」の議論 視線の先は「収入」と「選挙」

[ 2021年6月19日 05:30 ]

尾身会長らの提言ポイント
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 【記者の目】感染症の専門家による提言にもかかわらず、組織委は依然として「政府の方針」を盾に「有観客」の方針を貫いている。というより、春先からの一連の議論は最初から観客を入れることが前提で、21日に開かれる5者協議も最初から「結論ありき」と言っていい。

 あくまでも観客を入れての開催にこだわる理由はいくつか考えられる。もちろん「選手のため」という考えがないとは言わないが、やはり一番の理由は収入面だろう。無観客では収入がゼロで赤字は増える一方だ。チケットはすでに全体の42%が販売済みで、払い戻しがなければそれなりの収入が見込める。

 さまざまな権益が絡む五輪には多くのスポンサーが参加しており、大会期間中にはIOC関係者とともに招待客が大挙して訪れる。スポンサーはそのために多額の協賛金を払ってきたわけで、今さら無観客にはできない事情もある。

 さらに言えば、「安全安心」を連呼する政府の強い意思も見てとれる。観客を入れて普通に近い形で開催してこそ「大会成功」となり、選挙につながる実績になると考えているのだろう。

 5者協議の後、果たして専門家を納得させられるような「有観客」の理由を示せるかどうか。それがなければ国民の五輪離れを食い止めるのは難しい。(編集委員・藤山健二)

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