照ノ富士 史上初の大関復帰場所Vに王手、5年ぶり対戦の逸ノ城下す

[ 2021年5月22日 05:30 ]

大相撲夏場所13日目 ( 2021年5月21日    両国国技館 )

逸ノ城(右)を寄り切り、1敗を守った照ノ富士(撮影・白鳥 佳樹)
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 単独トップの大関・照ノ富士が連覇に王手をかけた。平幕・逸ノ城を寄り切り、1敗をキープ。14日目の遠藤戦に勝てば、2場所連続4度目優勝が決まる。21場所ぶりに復帰した大関。現行のカド番制度となった69年名古屋場所以降、復帰場所で優勝を果たせば史上初となる。唯一2敗だった貴景勝が遠藤に敗れ、3敗で追う貴景勝、遠藤とは2差がついた。

 荒い息をしたまま勝ち名乗りを受けた。今場所対戦する力士では最重量200キロの逸ノ城戦。胸を合わせ、寄り切る力相撲に、照ノ富士が険しい表情を緩めることは土俵下でもなかった。

 「勝てて良かった。自分の相撲を取りきる、力いっぱい出すことしか考えてなかった」

 立ち合いで踏み込んだ。まわしは引けなかったが得意の右四つ。寄られて初めて左上手に手がかかった。引き付けると力強く前に出た。

 一時序二段まで落ちたため、モンゴルから一緒の飛行機で来日し、鳥取城北高に入学した逸ノ城とは16年夏場所以来5年ぶりの対戦。ただ、29歳に迷いはなかった。「丁寧に左を絞りながら自分の形になって出た。盤石ですね」。高田川審判長(元関脇・安芸乃島)はさらなる進化を確認した。

 14日目に決まる可能性がある4度目の優勝。「一日一番精いっぱい、最後まで力を出し切って頑張りたい」と気負いなく言った。現行のカド番制度で大関に復帰したのは過去7人(8例)いるが、復帰場所で優勝した例はない。2桁勝利も05年春場所の栃東(10勝5敗)のみ。大関復帰で一度重圧から解放され、さらに優勝することがいかに至難かの証だろう。

 4月26日の番付発表。「横綱に上がるため、優勝に準ずる成績をずっと残さなければいけない。優勝を目指して頑張りたい」と語った。有言実行の男は高い意識の下、その壁を突き破ろうとしている。

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