【玉ノ井親方 視点】常に先に動く照ノ富士に安定感と余力

[ 2021年5月22日 05:30 ]

大相撲夏場所13日目 ( 2021年5月21日    両国国技館 )

逸ノ城(左)を寄り切りで下す照ノ富士(撮影・久冨木 修)
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 横綱不在の場所で、照ノ富士が横綱相撲を思わせる力強い取り口で連覇に王手をかけた。逸ノ城戦は最初は左上手が届かなかったが、右でまわしを取って相手を引き付け、左でまわしをつかむと一気に前に出た。

 今場所は先手々々の攻めが際立っている。高安の相撲と比べるとその違いがよく分かる。高安は一度自分で動きを止め、長い相撲で相手を疲れさせてから攻める。だが、照ノ富士は常に先に動く。勝負が速いので体や膝への負担が軽く、いつでも元気な相撲が取れる。対照的に長い相撲が多い高安は、後半になると疲れが出やすくなる。

 14日目は遠藤戦。勝てば優勝が決まるが、相撲巧者の遠藤は照ノ富士にとっては嫌なタイプだろう。安易にまわしを狙って、肩越しに取りにいくと、逆転のすくい投げを食う可能性もあるので注意が必要だ。(元大関・栃東)

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2021年5月22日のニュース