コーツ調整委員長の発言は、IOC自ら五輪開催への道を閉ざしかねない暴挙

[ 2021年5月22日 06:10 ]

無観客で行われた陸上の五輪テスト大会
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 【記者の目】いったい誰のための、何のための五輪なのか。コーツ調整委員長の発言は、感染拡大を食い止めるために多大な犠牲を払っている日本国民の気持ちを逆なでし、IOC自らが五輪開催への道を閉ざしかねないとんでもない暴挙だ。

 東京五輪のテスト大会や、世界各国で行われている国際大会でクラスターが発生しなかったのは、それが1競技だけの単発の大会だったからだ。国民が恐れているのは、当初の計画より半減したとはいえ、10万人近い海外からの選手や関係者が同じ時期に同じ場所に集結して巨大な“密”が発生することであり、多くても数百人程度の単発大会とは規模も危険度も全く違う。

 「アスリートのために開催してあげたい」という気持ちは誰もが同じだ。だが、4年に1度のチャンスに人生を懸けているのはアスリートだけではない。晴れやかな舞台でなくとも、それぞれが小さな幸せを求めて毎日懸命に努力しているのだ。

 一生に一度の全国中学大会や高校総体を奪われた子供たちに、どんな顔をして「五輪だけは特別」と言えるのか。今回のコーツ氏の発言は、五輪開催か否かを巡る論議に、決定的な一打となるかもしれない。(編集委員・藤山 健二)

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