【荒磯親方 真眼】遠藤 相手にとってはやりづらい「柔らかい対応と攻め」

[ 2021年5月20日 05:30 ]

大相撲夏場所11日目 ( 2021年5月19日    両国国技館 )

千代大龍(手前)を押し出しで破る遠藤(撮影・西尾 大助)
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 遠藤にキャッチフレーズをつけるなら「柔らかみのある男」。そんな感じでしょうか。元来手足の使い方がうまく、イメージは「柔らかく対応し柔らかく攻める」。若隆景の「堅く対応し、うまく攻める」とは対照的です。ある程度経験値も高い中で、今場所は相手の持ち味を殺せる長所を存分に生かしています。

 身のこなしに加え、体つきにも柔らかさがある。加えて相手が嫌がる体の寄せや、絶妙な箇所に手を置ける技術も兼ね備えている。押せそうで押せなかったこの日の千代大龍のように、相手にとってはやりづらいタイプでしょう。

 実力的にも今の番付ならこのくらい勝てて当たり前。今場所はうまく自分の形にはめることができているが、立ち合いの厳しい上位陣に同じ芸当ができてこそ「完全復活」を印象づけることができます。立ち合いで後手に回って下がると、ケガの再発にもつながります。独走だった照ノ富士に土がついて優勝争いの情勢は一変。今のリズムを失わずに追走してほしいと思います。(元横綱・稀勢の里)

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2021年5月20日のニュース