照ノ富士が初黒星 マゲつかんで11連勝つかめず、内容は完勝も喜びつかの間…

[ 2021年5月20日 05:30 ]

大相撲夏場所11日目 ( 2021年5月19日    両国国技館 )

照ノ富士(上)は妙義龍のマゲをつかんでしまい反則負け(撮影・小海途 良幹)
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 単独トップの大関・照ノ富士が思わぬ形で今場所初黒星を喫した。平幕・妙義龍を左小手投げで裏返した際に、相手の頭を押さえつけた右手がマゲをつかんだと判断されて反則負け。大関・貴景勝と平幕の遠藤が2敗をキープし1差に迫り、優勝争いへの興味がにわかに増してきた。

 心配顔で協議を見つめていた照ノ富士は、師匠でもある伊勢ケ浜審判長(元横綱・旭富士)の口から「照ノ富士がマゲをつかんで引っ張っており、反則とし、妙義龍の勝ちとします」との場内アナウンスを聞き肩を落とした。負け残りの土俵下で眉間にしわを寄せ、口をとがらせ悔しさをにじませた。取組後も取材に応じず国技館を引き揚げた。

 内容は完勝だった。立ち合いすぐにもろ差しの妙義龍を抱え、相手が出てくるところを左小手投げ。過去12勝3敗という相性の良さを見せ、勝ち名乗りを受けようとそんきょする。だが、物言い。相手を裏返しにする過程で、頭を押さえつけた右手の指が、勢い余って頭髪の間に入り込んでしまっていたのだ。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「ちょっとかわいそうな部分はある。審判が見る(判断する)ところだからね。どうかな。押さえつけたようにしか見えなかったけど」と同情を示した。土俵下で見届けた伊勢ケ浜審判長は「(担当の審判が)ビデオで見ていますから。マゲは“つかんだら負け”と決まっています」と規則に照らした判断であることを強調。さらに「前に出ないとダメです。立ち合い、左のまわしに手がかかったけど切られた。前に出ていけば切られることはない」と師匠として愛弟子への苦言も付け加えた。

 1敗で引き続き単独トップだが、1差に詰まった。初日から11連勝した15年秋場所は12日目から3連敗して、横綱・鶴竜に優勝をさらわれている。この思わぬつまずきを乗り越えられるのか。勝負の残り4日間となる。

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