バッハIOC会長 五輪で医療スタッフ“提供”組織委に提案、開催へ新たな一手

[ 2021年5月20日 05:30 ]

IOC調整委員会会議でIOCのトーマス・バッハ会長(画面)の発言を聞く東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長
Photo By 代表撮影

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が東京五輪・パラリンピックにおける“医療支援”を表明した。大会の準備状況を確認するIOC調整委員会と大会組織委員会などとのオンライン合同会議が19日に始まり、会議の冒頭であいさつ。各国オリンピック委員会(NOC)を通じ、選手村や競技会場に追加の医療スタッフを提供することを、組織委に提案したと明かした。

 バッハ会長は「全ての大会参加者と日本国民の安全を担保するため。選手村は安全な場所になる」と説明したが、医療スタッフの具体的な人数などには触れなかった。組織委の橋本聖子会長(56)は「ありがたくお受けし、どのように支援いただけることが可能か、話を伺いたい」と述べた。新型コロナウイルスの感染拡大で国内の医療がひっ迫する中、組織委が看護師500人の確保を要請したことに医療従事者や世論が猛反発。当初は出席予定ではなかったバッハ会長は、ワクチン提供申し入れなどと同じく、サプライズ発表で安全な大会のアピールを狙ったものとみられる。

 バッハ会長はまた、コロナ下で開催された430以上のスポーツ大会や日本でのテスト大会でウイルス拡散は一つも発生しなかったと強調。現時点で選手村に入る各国選手団の75%がワクチンを接種したか確保していると説明し、「大会時には80%を超える」との見通しを示した。日本人の粘り強さや逆境に耐える力を称賛し、最後は「7月23日の(五輪)開会式では全世界が祝うことになる。我々を頼りにしてください」と締めくくった。

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2021年5月20日のニュース