聖火リレー2日連続アクシデント 「絶対に消えない」はずのトーチが「消えてますよ」

[ 2021年3月27日 05:30 ]

 東京五輪の聖火リレーは26日、福島県で2日目が実施され、トーチの炎が消えるアクシデントが発生した。初日も2回消える場面があり、大会組織委の関係者内には困惑が広がっている。

 アクシデントが起きたのは飯舘村の走行区間。前の走者からトーチの炎を受け取った浪江町出身の石沢孝行さんが走りだして約2分後、中継点の手前でスタッフから「消えてますよ」と呼び止められた。沿道の観客が心配そうに見守る中、5人ほどのスタッフが風から守るように石沢さんを囲んで、ランタンに入った予備の種火で再点火。トーチから炎が上がり、次の走者へと聖火をつないだ。

 スタッフの指摘で火が消えたことに気付いたという石沢さんは「最初はトーチに火が付いていたので、“え?聖火って消えるんだ”と思った」と振り返った。故郷の復興につなげるために本番を楽しみにしてきたといい、ハプニングに見舞われたものの「次の走者にちゃんと聖火がつながってよかった」と安堵(あんど)した。飯舘村の出発式でも走者のトーチに点火する際にランタンの種火が消えて、予備の種火で対応する騒ぎがあった。

 この日のトーチの燃料は最終走者分が水素で、ほかはLPガスだった。歩いて前に進むのさえ困難な秒速17メートルの強風や、1時間に50ミリの強雨など、過酷な環境でも炎が消えないとの触れ込みだったが、気象庁によると、この日の飯舘村の風は最大で約10メートルだった。

 組織委は、トーチ末端に内蔵されているガスボンベのバルブのねじ込みが「不十分だったと考えている」(高谷正哲スポークスパーソン)と説明。スタッフが専用器具を使用してねじ込みを行うが、十分にねじ込まなくてもガスが出始めるため、そのままスタートさせてしまったのではないかという。初日の消えた原因も同様ではないかとした。運営マニュアルには「最後までねじ込みを行う」と明記されているそうで、今後は周知徹底するとした。

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2021年3月27日のニュース