【玉ノ井親方 視点】小兵・若隆景 体幹しっかり 下からうまい攻め

[ 2021年3月27日 05:30 ]

大相撲春場所13日目 ( 2021年3月26日    両国国技館 )

高安(左)を下から攻め勝利をものにした若隆景(撮影・西川祐介)
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 高安が手痛い黒星を喫した。先にまわしを取って主導権を握ろうとしたが、若隆景にうまく回り込まれて組み止められなかった。最後は中に入られ、窮余の策の小手投げが、逆に相手を呼び込む形となり、先に土俵に倒れ込んでしまった。

 若隆景は小兵だが、体幹がしっかりしていて相撲がうまい上に、下からおっつけながら攻めてくるので取りづらい。高安とすれば、左か右のどちらかを差して組みたかったが、左に右に動かれ差せなかった。最後の小手投げも少々強引で、相手の術中にはまった感じだった。終盤に来てこういう負け方をすると、尾を引く可能性もあるので注意が必要だ。

 対照的に3敗で並んだ照ノ富士は素晴らしい相撲だった。正代の取り口をよく研究していて、鋭い踏み込みから素早く前まわしを取ると前傾姿勢を保ったまま一気に走った。優勝争いの流れが変わりそうな予感がする一番だった。(元大関・栃東)

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2021年3月27日のニュース