日本一曲がらない男 稲森佑貴 ドライバーレッスン【第10回 曲がらない1Wの選び方】

[ 2021年3月12日 12:00 ]

1W選びについて解説する稲森佑貴プロ(左)
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 第10回のテーマは、曲がらない1W選びについてです。稲森プロによれば、大切なのは振りやすさだと言います。他人の目を気にせず、自分に合ったクラブを選択することが、曲がらないショットを打つ秘訣です。ぜひ自分の1Wを再チェックしてみましょう。進行役を萩原菜乃花さんが務めます。

 萩原 私の1Wと稲森プロのものを比べてみると、私のほうが若干長いことが分かりました。

 稲森 若干じゃないですよね(笑)。指1本分の差があるので、けっこうな違いです。

 萩原 アベレージゴルファーにはどれぐらいの長さが最適ですか?

 稲森 その人の体型にもよるので一概には言えませんが、選択する基準としては振りやすいかどうかですね。例えば、自分の場合、44・75インチを使っています。以前は45・25インチや45インチも試しましたが、振りやすさを重視して、今の長さに落ち着きました。

 萩原 長い方が飛ぶんですよね?

 稲森 クラブフェースの芯でとらえることができるなら長い方が飛びますが、その分芯でヒットすることが難しいんですよ。ミート率が下がると、飛ばないだけでなく曲がりますからね。それならば、多少短くしたほうが、曲がりを抑えられるし、飛距離もさほど変わりません。

 萩原 なるほど。長さ以外のスペックについても教えてもらえますか?

 稲森 ロフトは9・5度でシャフトは60グラムの硬度Xを使っています。全体のバランスはD2です。ロフトは打ち方によって適した角度があります。下からあおるような打ち方の人はロフトが少ない方いいですし、弾道が低い人はロフトの多いものがお勧めです。シャフトの硬度は一般男性ならSで十分だと思いますが、力に自信がある人ならXでも構いません。

 ただし、シャフトのしなりを感じられないようでしたら、軟らかめのシャフトにするべきです。友人がSだからといって、無理する必要はありません。スコアアップを狙うならRシャフトにしましょう。また、バランスを軽くしてもいいですね。

 萩原 シャフトやヘッドを替えるときの注意点はありますか?

 稲森 両方一度に替えるのはNGです。まずはシャフトだけを替えて試打を行います。自分なりに手応えのあるシャフトを選んだら、次にヘッドを替えます。一つずつ替えることで、自分に合うシャフト、ヘッドを選びやすくなることを理解しましょう。大切なのは、クラブに自分を合わせるのではなく、自分に合ったクラブを選ぶことです。力のない人が硬いシャフトを目いっぱいの力で振っても曲がるだけです。自然にしなる硬さを選んでこそ、リラックスした状態でスイングできるのでボールは曲がりません。

 萩原 1Wは飛ぶものがいいと思っている人も多いのでは?

 稲森 飛距離と方向性の両方を選ぶならミート率を優先するべきです。自分の短所を補ってくれるスペックが分かれば、それだけで飛距離も方向性もアップします。

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか)1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の24歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。

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