横綱・鶴竜 春場所休場…左太腿負傷で5場所連続 横審の引退勧告覚悟

[ 2021年3月12日 05:30 ]

5場所連続となる休場が決まった鶴竜
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 大相撲の横綱・鶴竜(35=陸奥部屋)が14日に初日を迎える春場所(東京・両国国技館)を休場することが11日決まった。師匠の陸奥親方(元大関・霧島)が明らかにした。9日の稽古で左太腿を肉離れしたためで、昨年7月場所から5場所連続の休場。鶴竜は現役続行に意欲を示すが、横綱審議委員会などから厳しい通告も受けることは必至だ。同じく4場所連続休場中の横綱・白鵬(36=宮城野部屋)は出場を明言した。

 進退を懸けた春場所出場に意欲を示していた鶴竜が一転、休場に追い込まれた。初場所は腰のケガで全休したが、2月中旬の合同稽古の前半には参加。小結・御嶽海と三番稽古を行うなど復調の兆しを見せていた直後にアクシデントに見舞われた。9日の幕内・霧馬山との申し合いで左太腿を負傷。陸奥親方によると「ぱーんと音がしたらしい」と肉離れの症状が見られた。この日は四股も踏めないほど悪化しているという。

 師弟はこの日午後、今後について話し合った。休場は通算20度目で、横綱在位41場所で19度目。連続休場が5場所に及ぶこともあり陸奥親方は引退の選択肢も提案したというが、鶴竜の現役続行への思いは強かった。同親方は「肉離れは、そんなにひどくはなく長引かないと思う。それ(現役続行)が通らないかもしれないが、気持ちは切れてない。本人は(まだ)やりたいというのが強かった」と弟子の気持ちを尊重したことを強調した。

 鶴竜は6度目の優勝を果たした19年名古屋場所以降は優勝から遠ざかっている。加えて休場も目立つようになったことから昨年11月場所後には横綱審議委員会に「引退勧告」に次いで重い「注意」を決議されていた。場所後に予定されている横審の定例会合でも「引退勧告」など重い決議がなされる可能性もある。12日の定例理事会で状況を報告する陸奥親方は「それも覚悟している。場合によっては再び師弟で話し合うことになる」と語った。

 横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は「非常に驚いている。場所後の会合で委員の皆さんの意見を聞いて話し合うので、今の段階で私が何か申し上げることはない」と述べた。現役続行こそ決まったが、いばらの道が続くことに変わりない。

 ≪稀勢らの8連続が最多≫昭和以降の記録で、横綱の連続場所休場は西ノ海と稀勢の里の「8」が最多。1927年1月場所から28年10月場所まで休んだ3代目西ノ海はそのまま引退。17年夏場所から18年名古屋場所まで休場した稀勢の里は復帰場所(18年秋)で10勝5敗だったが、2場所後の19年初場所で引退。貴乃花は01年名古屋場所から02年名古屋場所の7場所連続で休場。復帰場所(02年秋)では優勝争いを演じ12勝を挙げたものの、2場所後の03年初場所で引退。

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2021年3月12日のニュース