大坂 楽勝4強「とても面白い」技巧派の返球も想定内、66分圧倒「戦略に集中できた」

[ 2021年2月17日 05:30 ]

テニス 全豪オープン第9日 ( 2021年2月16日    オーストラリア・メルボルンパーク )

ショットを放つ大坂なおみ(AP)
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 女子シングルス準々決勝で、世界ランキング3位の第3シード大坂なおみ(23=日清食品)は同71位の謝淑薇(シャシュクビ、35=台湾)に6―2、6―2で快勝した。優勝した19年以来2年ぶりの4強入り。全豪通算20勝目を挙げ、杉山愛を抜いて日本女子歴代単独最多記録を樹立した。準決勝では同11位のセリーナ・ウィリアムズ(39=米国)と対戦する。

 余裕があった。第2セット、5―2の第8ゲーム。40―30から強烈なバックハンドを決められて2度目のマッチポイントを逃すと、大坂は笑みを浮かべた。予測不能な相手のプレーを目の当たりにし「ウイナーを打てないような難しい場面で彼女はさりげなくウイナーを打つ」と感嘆。第2セット第5ゲームでネットを取られてボレーを決められた際も「歩くような動きでネットプレーをする。とても面白い」とツアー屈指の技巧派との戦いを楽しんでいた。

 謝とは過去5回対戦して4回がフルセットにもつれる接戦。意表を突くドロップショットなどにかき乱されて崩れるのが、お決まりのパターンだった。この日はトリッキーな返球にも「想定内」と平常心を保ち、試合を支配。リターンやラリーで深いショットを打つことを心掛け、ノータッチで決めるポイントを無理に狙わなかった。凡ミスは相手の23本に対して14本。ブレークを許さない1時間6分の完勝で「イライラすると思って準備していたが、全くイライラしなかった。何をやるべきか理解していたし、戦略に集中できた」と振り返った。

 昨夏の全米前哨戦から続く連勝を19に伸ばした。全豪通算20勝目は、杉山愛を抜く日本女子歴代最多。8強入りした過去3度の4大大会は全て優勝しており、準々決勝以降の不敗神話も継続した。勢いは止まらないが「(4大大会の8強は)まだ今回が4回目。20回とかなら凄いけど。決勝で10勝0敗みたいな方が記録的にはいい。安定した成績を残し続けることが究極の目標」と志は高い。

 2年ぶりの優勝まであと2勝。昨年の全米オープンを制しており、18年全米→19年全豪を制した2年前の再現に、また一歩前進した。準決勝で激突するS・ウィリアムズとは過去2勝1敗。4大大会ではストレート勝ちした18年全米決勝以来2度目の対戦となる。大坂は「私はセリーナ、フェデラー、ナダルを見て育った。コートで彼女と対峙(たいじ)すると本当に威圧感がある」と憧れの存在との対戦を心待ちにした。4度目のグランドスラム制覇へ、最大の難関を迎える。

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2021年2月17日のニュース