橋本五輪相「若さ」「女性」「元アスリート」で推されて新会長候補一本化 2つの懸念も

[ 2021年2月17日 17:30 ]

橋本聖子五輪相
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長候補として、橋本聖子五輪相(56)に一本化されたことが17日、スポニチ本紙の取材で分かった。森喜朗会長(83)の後任を選ぶ「候補者検討委員会」は、今後橋本氏に就任要請をする。

 菅義偉首相から、後継に求める3つの資質「若さ」「女性」「元アスリート」を併せ持つ存在として一貫して推されている橋本氏。しかし16日の記者会見では会長職への打診があったかという問いに「全くそのようなことはない」と否定。この日、候補として一本化されたが、これまで、就任までにはいくつかの“ハードル”があることが指摘されてきた。

 その一つが懐事情。国務大臣は公益法人の役職の兼職が禁じられており、会長に就任するには五輪相を退く必要がある。そればかりか参院議員の辞職を迫られる可能性もある。橋本氏は1998年12月に警視庁SPだった警察官と結婚。現在、6人の子供を抱えている。組織委の役員報酬月額は20段階に分けられ、評議員会が個別に決定。年額にすると最高で2400万円だ。橋本氏が無報酬だった森氏と比較されることを恐れ、コロナ禍で大きいダメージを受けている協賛企業のことも考慮し自ら少額の意向を示さざるを得ない状況になれば、現在の生活維持は厳しい。

 コロナ禍の議員歳費2割削減措置などを受け、国務大臣の年収は2000万円ほど、参院議員では約1900万円。これらに加え、毎月100万円の文書通信交通滞在費が支給され、大臣や議員が対象ではないが、3人まで雇える公設秘書給与分もある。会長になれば大臣や議員に比べ融通が利かないなど、実質面を合わせれば減収幅はさらに大きくなりそう。議員辞職なら自民党の“優遇措置”などで来夏参院選での返り咲きが確実視されるが、それまでの減収分について、永田町関係者は「政府・与党の責任で五輪とは関係ない複数の団体の顧問に就ければカバー可能」と話した。

 さらに、アキレス腱として周囲が気をもむのが過去のセクハラ騒動。2014年2月の冬季ソチ五輪閉会式後に選手村で開かれた打ち上げパーティーの席で、フィギュアスケート男子の高橋大輔(34)に抱きついてキスを強要したなどと同年8月、写真付きで報じられた。当時は参院議員にして日本スケート連盟の会長。辞任を申し出て慰留された連盟理事会につえをついて激やせした姿で現れたのは記憶に新しい。

 今回の問題の発端は森氏の女性蔑視発言だけに、橋本氏への一本化でこの問題がどう影響するか。候補者検討委員会の第3回会合は18日に開かれる。

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2021年2月17日のニュース