【松岡修造の目】大坂こそ魔術師 お株奪う“強打控え”で走らせミス誘った

[ 2021年2月17日 05:30 ]

テニス 全豪オープン第9日 ( 2021年2月16日    オーストラリア・メルボルンパーク )

準決勝進出を決め笑顔の大坂なおみ(AP)
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 謝選手は相手を惑わすスペシャリストで魔術師の異名を持つが、この試合では大坂さんが魔術師に見えた。相手に本来のプレーをさせなかった最大の要因は強打を控えたことだ。本来なら一発で決めにいくようなボールが来ても、スピン系の高くバウンドさせる球で応じ、同じ場所には打たずに相手を動かしていた。謝選手は走らされたことでバランスを崩してミスが増えた。得意のドロップショットなど、相手のタイミングを外すプレーをほとんど出せなかったのは、大坂さんがそういう状況に追い込んだからにほかならない。

 序盤は競ったゲームが多かったが、落ち着いていた。2度のマッチポイントを握られながらしのいだ4回戦のムグルサ戦を経験したことで、精神的に安定している。第1サーブ成功率が48%に低迷するなど調子が良いとは言い切れない中でも強い勝ち方ができるのは成長の証。準決勝では第1サーブも重要になるが、フォーム、フィーリング自体は悪くないので修正は十分に可能だ。(日本テニス協会強化副本部長)

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