【小椋久美子の目】フクヒロ、ナガマツは五輪決勝を意識　22日開幕バド全日本総合

女子ダブルスの福島(奥)、広田組=左側=と永原(手前)、松本組
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　バドミントンの全日本総合選手権は22日から6日間、東京・町田市総合体育館で開催される。東京五輪で活躍が期待される日本代表勢はもちろん、台頭を目指す期待の若手もいる。多くの選手が久々の公式戦を迎える国内最高峰の舞台の見どころを、女子ダブルス全日本総合選手権5連覇、08年北京五輪5位の本紙評論家・小椋久美子さんが語った。22日は男女ダブルス、23日は男女シングルス、混合ダブルスの1回戦が行われる。（敬称略）

【男子ダブルス】
　昨年優勝の遠藤大由、渡辺勇大組（日本ユニシス）と園田啓悟、嘉村健士組（トナミ運輸）は東京五輪出場争いの真っただ中で、そのプライドもある。遠藤、渡辺組は優勝した3月の全英オープン以来の公式戦。36歳の遠藤は特に経験値が高い。久々の試合でも、試合勘は問題はないと思う。優勝で見えてきた課題克服に特化して、レベルアップしていると予想する。園田、嘉村組は超低空戦といわれる凄い速いプレーを維持するために打ち込んできているはず。気持ちをぶつけるペアなので、試合勘は気にせず気迫で向かってほしい。

　ただ、2強とは言えない構図となっている。昨年の世界選手権銀メダルの保木卓朗、小林優吾組（トナミ運輸）は世界の中でもトップクラスの攻撃力。主導権を握る戦いをすれば面白い。古賀輝、斎藤太一組（NTT東日本）、金子真大、久保田友之祐組（トナミ運輸）らもおり、若手が東京五輪が有力な2組に一泡吹かせられるか。

【女子ダブルス】
　一番の注目は東京五輪出場を確実にしている福島由紀、広田彩花組（丸杉Bluvic）と永原和可那、松本麻佑組（北都銀行）の両ペア。ワールドツアー再開初戦の11月のデンマーク・オープン決勝では福島、広田組が国際大会で4連敗中だった永原、松本組に勝った。その内容、結果が心理状況に影響すると予想する。先行を許した永原、松本組は前半から勝負を仕掛け、福島、広田組は勝負どころを冷静に判断する展開か。

　2ペアとも全日本総合で負けた状態で東京五輪に出るのは、たぶん許されないと思っている。私もそうでした。東京五輪の決勝を見据え、ここで勝たないと金メダルはないと感じながら試合に向かうと思う。

　リオ五輪金メダルの高橋礼華、松友美佐紀組がペアを解消し、A代表が1席空いた。櫻本絢子、高畑祐紀子組（ヨネックス）ら若手のB代表勢が、その1枠を獲りに向かってくると思う。A代表の志田千陽、松山奈未組（再春館製薬所）や左アキレス腱断裂から復帰した米元小春、田中志穂組（北都銀行）も完全復活を目指す大会になる。

【混合ダブルス】
　渡辺勇大、東野有紗組（日本ユニシス）1強になる。コロナ禍で同じ所属チーム同士で組むペアが必然的に強くなるため、実力と経験で渡辺、東野組がリードしている。

　金子祐樹、松友美佐紀組（日本ユニシス）も出場。元々同じチームで組んでいて、形はできあがっているペア。松友は混合に絞った練習ができていると思う。混合では後衛は男子がカバーするため、前衛に特化できる。男子の選手にスマッシュ打ってもらうなどして、スピード感がアップしていると思う。