【小椋久美子の目】パワー&スピード進化の桃田に期待 22日開幕バド全日本総合

[ 2020年12月22日 05:30 ]

バドミントンの桃田
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 バドミントンの全日本総合選手権は22日から6日間、東京・町田市総合体育館で開催される。東京五輪で活躍が期待される日本代表勢はもちろん、台頭を目指す期待の若手もいる。多くの選手が久々の公式戦を迎える国内最高峰の舞台の見どころを、女子ダブルス全日本総合選手権5連覇、08年北京五輪5位の本紙評論家・小椋久美子さんが語った。22日は男女ダブルス、23日は男女シングルス、混合ダブルスの1回戦が行われる。(敬称略)

【男子シングルス】
 桃田は相当練習を重ねて「今までで一番強い」という話を聞いている。大会序盤は普段と違うコートやシャトルの感覚など外的要素もあると思うが、勝ち上がるにつれて、パフォーマンスが良くなっていくと想像できる。

 桃田は自分が崩される瞬間がなければ負けない。海外勢と対戦する際もコントロールやショットの質はピカ一。だが、ギンティング(インドネシア)らスピードの速い選手と対戦した際に、余裕がない状態で構えてワンテンポ遅れたり、配球の質が下がるシーンがあった。パワーとスピードを重視して取り組んでいると聞いているが、相手に崩されないスピードも意識していると思う。なので、日本の選手が桃田の足を止めるショットを打てるとは考えにくい。

 順当なら桃田は準々決勝で奈良岡功大(IMG)と当たる。奈良岡は器用な選手で、駆け引きがうまい。次世代を引っ張って欲しい存在。トップランカーに何が通用するのか、試合内容に注目したい。また、準決勝で常山幹太(トナミ運輸)、西本拳太(岐阜県協会)が激突しそう。東京五輪の残り1枠を争う状況でお互いに意地がある。2人とも粘り強いので、消耗戦になると思う。

【女子シングルス】
 やはり山口茜(再春館製薬所)と奥原希望(太陽ホールディングス)に注目。昨年、山口は負傷していたが、海外遠征のない今年は完治させる時間もあった。ケガをしない体で、万全の態勢で臨めると思う。不安要素があると良い試合ができていない印象があるので、今回はそれがない状態。らしいプレーをそのまま出せば強い。

 11月のデンマーク・オープンで優勝した奥原は、動きのスピードが格段に上がっている。元々持っていたフットワークやスピードが、さらに上がった印象。新たなショットや動きがプラスされて、レーの幅に広がっていた。同じフォームで打ち分けのコントロールが高いが、さらにシャトルの触りが速くなり、相手の守備の態勢が整う前にシャトルを落としていた。攻守にわたってシンプルになった。やりたかったことが形になった印象だった。

 順当なら山口と2回戦で対戦するB代表の郡司莉子(八代白百合学園高)は、昨年に最終ゲームまで粘った逸材。昨年、山口を破ったA代表の大堀彩(トナミ運輸)や高橋沙也加(日本ユニシス)にも期待している。

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2020年12月22日のニュース