服部道子氏 ナイスショットに泥が…運に恵まれなかった渋野、それでもメジャーで大きな自信得た

[ 2020年12月15日 18:10 ]

米女子ゴルフツアー 全米女子オープン 最終日 ( 2020年12月14日    テキサス州ヒューストン・チャンピオンズGCサイプレイスクリークC=6399ヤード、パー71 )

全米女子オープン最終日の最終ホールでバーディーを取り、キャディーと握手する渋野日向子(AP)
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 渋野選手は本当に残念でしたが、この4日間本当にワクワクさせてもらいました。最終日は予選ラウンドのようにパットが決まりませんでした。惜しいパットが一つでも入っていれば、結果は変わっていたはずです。そうなってしまったのは、最終組の重い雰囲気も影響したと思います。無観客試合ということもあって、少し消極的な攻めになった感じでした。でも、観客が入っていれば、渋野選手のことですから、声援を力に変えて、メリハリのあるプレーでそうしたムードを打破できていたかもしれません。

 運もありませんでした。前日の雨の影響で下が柔らかくなり、フェアウエーに行った球でも泥が付きやすくなっていました。ルールでそれを拭くことができなかったので、泥がついた場所によっては球がどこに飛ぶか分からない。9番パー5で第1打をフェアウエーにナイスショットしましたが、球に泥が付いてしまい第2打が左ラフに飛んで行ってしまいました。3打目もバンカーに入れてしまった。もし泥が付いてなければ、確実にバーディーチャンスにつなげられたはずです。あの場面でバーディーを取れていれば難しい10、11番も耐えられたでしょう。そういうナイスショットに泥がついたシーンが何度かありました。

 ただ、この経験は彼女にとって大変な自信になったはずです。アプローチのバリエーションが増えショートサイドのバンカーショットも素晴らしく、成長した部分を見せてくれました。セーブ率は100%に近かったのではないでしょうか。あれだけグリーン周りが安定すれば、もっともっとアグレッシブに攻めていけるようになります。

 第3ラウンドが終わった段階で、米ツアーの選手は渋野選手の優勝を予想していました。トップ選手はいろいろな選手を見てきているので、その経験から優勝する選手は肌感覚で分かります。また、こういう選手が強くなっていくのだろうなと想像できる。渋野選手はゴルフという枠組みだけではなく、将来性や人としての魅力を含め、米ツアーの選手にも認められているのだなと感じました。(東京五輪日本代表女子コーチ)

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2020年12月15日のニュース