23年ラグビーW杯 日本、エディー氏率いるイングランドと同組“因縁対決”

[ 2020年12月15日 05:30 ]

15年W杯では日本を率いてともに戦ったエディー・ジョーンズ氏(中央)
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 ラグビーの23年W杯フランス大会の1次リーグ組み合わせ抽選会が14日、パリで行われ、世界ランキング10位の日本は、同2位のイングランド、同8位のアルゼンチンと同じ1次リーグD組に入った。03年大会優勝国のイングランドを率いるのは、前日本代表ヘッドコーチ(HC)のエディー・ジョーンズ氏(60)。因縁浅からぬ名将率いる北半球の雄と、11月に通算30度目の対戦でニュージーランドに初勝利したアルゼンチンと同組となる、タフな組み合わせになった。

 新型コロナの影響で各国代表HCがリモート出演で固唾(かたず)をのんだ抽選会。日本はすでにアルゼンチンが振り分けられていたD組に入った。残るは1月1日時点の世界4強で占められたグループ1。ニュージーランド、南アフリカ、ウェールズと消え、最後に残ったのはイングランド。因縁の対決が実現することになった。
 抽選終了から2時間後に行われたオンライン会見。ジョーンズ監督、アルゼンチン代表のレデスマ監督とともに出席した日本代表のジェイミー・ジョセフHCは「19年大会は選手が決意を持って臨み、100%を出すことができた。イングランドにも同じように立ち向かっていける」と気合十分。対戦相手が決まり、覚悟も固まった。

 11月に通算30度目の対戦で初めてニュージーランドを破ったアルゼンチンもタフな相手だが、何といっても注目はイングランドとの対戦だ。過去には87年の第1回W杯で同組となり、日本は7―60で完敗。16年秋にジョセフHCが就任し、18年11月に聖地トゥイッケナムでジョーンズ監督が率いるイングランドと対戦した。

 リーチ主将、SH田中ら元教え子らとの対決を前に、ジョーンズ監督はメディアを通じて「日本の選手は寺で祈っておけ」と挑発。試合はリーチ、CTB中村のトライで日本が前半を15―10とリードしたが、後半は無得点で15―35の敗戦。試合後も敵将は「いいテストができた」と余裕。2年前の借りを返すためにも、3年後に絶好の舞台が用意された。

 会見でジョーンズ監督は「日本は今、最も成長している国。(対戦は)意識はしない」とおとなしかったが、これも数々の舌戦を仕掛けてきた知将の策略だろう。18年の対戦時は不在だった、フランス1部クレルモンで活躍するFB松島は「イングランドはセットプレーもフェーズプレーも精度が高く、なかなか隙を見せてこないと思うので、自分たちがしっかりやれれば我慢比べになる」と早くも攻略法を頭に浮かべる。まだまだ多くの“チルドレン”が残る日本代表。恩師の鼻を明かし、2大会連続の決勝トーナメント進出に向けた準備が始まる。

 ▽抽選方法 前回大会の1次リーグ各組3位までに入って出場権を得た12チームを、今年1月1日時点の世界ランキングを基に3つのグループ(バンド)に分け、各グループから1チームずつを選んだ。日本は1月1日時点で8位だったため、史上初めてグループ2に振り分けられた。今後の予選を経て決まる8チームは、グループ4、5として組分けされた。本来は最新の世界ランクを基にグループ分けされるが、新型コロナの影響で各国の試合数にばらつきが生じたため、1月1日時点のランキングが適用された。

 ▼リーチ・マイケル(東芝) 良いプールに入った。3年後の対戦相手が決まって、今まで以上にハードワークの日々がスタートする。23年、フランスで桜のジャージーを着て、最高のパフォーマンスで結果を残せるよう努力していく。
 ▼流大(サントリー) 選手からすればどのプールでも死のプール。また頑張ろうと思えた抽選会でした。
 ▼姫野和樹(トヨタ自動車) どこも一筋縄ではいかないようなグループ分け。相手より自分たちにフォーカスして頑張りましょう!しかし、楽しみだ。
 ▼田村優(キヤノン) 激アツ。
 ▼中村亮土(サントリー) 日本が次のステージに行くためには避けられないところ。
 ▼福岡堅樹(パナソニック) かなり手ごわいプールかなと思うが、見応えのある試合がたくさん見られそう。どんなメンバーになるかも含めて楽しみ。 

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