藤田寛之のレッツビギン!!実践編 ミススポーツ上達の道【第1回 スライス矯正法】

[ 2020年10月2日 12:00 ]

スライスの矯正法の解説を行う藤田寛之プロ(左)
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 今回からラウンド中心の実践編となります。第1回のテーマは、スライスの矯正法です。ラウンド中にスライスが止まらず、1Wを思い切って振れないときに役立つ矯正法です。徐々に腕を上げつつあるミス日本ミススポーツ田中絵梨果さんの悩みもスライス。藤田プロのアドバイスは初心者だけでなく、アベレージゴルファーにも十分参考になります。レッスンプロのジミー常住氏が進行役を務めます。

 常住 それではまず田中さんにティーショットを打ってもらいますが、プッシュスライスが現在の悩みとのことです。

 田中 思い切って打ちますね。わあっ、真っ直ぐ飛んで行きました。

 藤田 確かに成長を感じさせるナイスショットでしたね。ただ、スイングを見る限りでは、アウトサイドインのカット軌道に振っているので、そこを修正したほうがいいでしょう。

 田中 どこを直せばいいんですか?

 藤田 ラウンド中にスイングを矯正するのは厳しいので、アドレスとスタンスを少し変えてみます。まず、スライスが出る人は、左足を開いて右足を正面側に真っ直ぐにして構える傾向が強いようです。左足は爪先を時計の目盛りの12.時に合わせ、右足は爪先を1時半に合わせます。さらに、ボールの右サイド(横ラインの赤道)を斜め右上から見るように構えてみましょう。

 田中 先ほどよりもボールが遠くに感じますね。

 藤田 その場合、体を目標方向へ少し平行に移動して調整して下さい。

 常住 打ち急ぎもスライスの原因だと思いますが、トップ・オブ・スイングで“間(ま)”を作る方法を教えて下さい。

 藤田 トップ・オブ・スイングからダウンスイングへと移る際、間があると、インサイドからクラブを下ろせますからね。その前に間の確認ですが、アベレージゴルファーの多くは、トップ・オブ・スイングで手の動きを止めることだと勘違いしています。あくまでも体の動きの中で自然に間を作ることが大切です。

 田中 具体的にはどうしたらいいのでしょう?

 藤田 即効性のあるドリルではありませんが、トップ・オブ・スイングまでクラブを上げたら、両手の位置を変えずに、膝を曲げて体を一度沈み込むような動きを行います。それからクラブを下ろしてきましょう。ダウンスイングを2段階に分けて行うイメージです。ポイントは両手の位置をできるだけ変えないことです。

 田中 こんな感じですか。

 藤田 ちょっとまだ両手も一緒に下りてきますね。体が沈み込んだらクラブを下ろすという手順を意識してみましょう。この動きを繰り返し行うことにより自然と間ができると思います。間ができないとアウトサイドからクラブを下ろしてくるので、カット打ちになり、スライスが出るので気をつけましょう。

 田中 頭がけっこう上下動しますが?

 藤田 基本的には気にする必要はありません。あくまでもこのドリルは間を作るためのものであり、頭を1個分ほど下げるつもりで体を沈みこんだほうがいいですね。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自然な流れで間を作れるようになり、プッシュスライスもなくなります。

 (取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの51歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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